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10 May 2014 07:07:18 pm |
太陽熱風力発電 |
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アリゾナ州が世界初の太陽熱風力タワー発電所の建設を認可
Solar Wind Energy Inc.のホームページより、
太陽光発電と言うと夜間には発電ができなくなる、風力発電は風がやむと発電できなくなるなど、その非連続性が「ベース電力」になりえないとするどこかの国の電力会社も言い訳ができなくなる、24時間いつでも発電する事が可能で太陽光エネルギーを利用した再生可能エネルギーがこの太陽熱風力発電である。但し、年間を通じて気温が高く乾燥している事が条件となるので、日本では適した立地はあまり無いかも知れない。ところで、太陽光発電も風力発電も発電所の数がある程度増えれば、非連続性は問題にならない事は既に世界各地で証明済みであることを付け加えておく。
太陽光熱利用の下降気流タワー型発電設備を開発している米国のベンチャー企業、ソーラー・ウインド・エネルギー社(Solar Wind Energy Inc.)は、2014年4月23日にアリゾナ州サンルイス市(San Luis)から建設認可を受けた。同時に、向こう50年間の水道水の供給契約と一部電力の買い取り契約も締結され、太陽熱風力タワー発電所建設の準備が整った。
太陽熱利用の下降気流(ダウン・ドラフト)で発電するアイデアは40年前から存在するが、具体的な商業プロジェクトになったのは、今回が初めてである。
この発電所が建設可能な場所は、砂漠地帯のような高温で乾燥しているところである。中空の高層タワーの上部から内部に向けて水を噴霧すると空気が水分を含み温度が冷え重くなって、タワーの下部に向かって下降する急激な空気の流れ(ダウン・ドラフト)となる。その速度は秒速22mにもなる。タワーの下部はフレヤー状に広がりそこに放射状に作られたトンネルが外に向かっていくつも作られている。そのトンネルを通って下降気流はタワー外部に排出される。トンネルには風車が設置されており、風車は油圧ポンプを回す。油圧となったエネルギーは発電室に集められ、いくつかの異なるサイズの発電機を油圧モーターで回して電気を発電する。油圧エネルギーは、その時のエネルギー量に応じたサイズの発電機に最適に振り分けられる。
このアリゾナのユマ砂漠の発電所の場合、最大で1000kWの発電能力がある。同社は、設置予定場所の詳細な気象データを過去10年間にわたり採取してモデルをつくり、連邦気象局の持つ全米気象データの数十年のデータを読み込んでシミュレーションを行った結果、年平均で1日当たり435kWhを供給できると試算している。これは、通常の火力発電所4基分に匹敵する電力である。
建設されるタワーは675mの高層建築物となる。このタワーの敷地は250万平方メートル(1.6 x 1.6 km)である。
2018年の商業運転を目指しており、電力はカリフォルニア州の電力会社、アリゾナ州の電力会社、その他の企業との販売契約が決まっている。現在、メキシコ、インド、中東からの引き合いがある。タワーに噴霧される水のほとんどは回収されるが、蒸発する分は供給する必要がありある程度の水量は必要となるので、サンルイス市との水道契約が重要な要素であった。
同社のホームページで、動作原理のアニメや詳しい説明、社長に対する質疑応答が聞ける。(英語)URL:
http://www.solarwindenergytower.com/ |
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06 May 2014 12:08:13 pm |
低温熱源発電装置 |
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第一実業、米アクセスエナジー社の小型バイナリー発電装置を国内製造へ
環境ビジネス.jp 2014-05-02より、
総合機械商社の第一実業は、アクセスエナジー社とその親会社であるカルネティクステクノロジー社と、小型バイナリー発電装置の日本における独占的製造権取得に係わる契約を締結した。
バイナリー発電機は、排ガスや温泉熱水等の熱を沸点の低い代替フロン等の冷媒に熱交換し蒸気化、蒸気になった冷媒ガスの力でタービンを回転させ発電する。今回第一実業が製造するモジュールは、出力がグロスで125kW、熱源の温度は120℃-176℃(MT)のものと82℃-104℃(XLT)の2種類。有機作動流体はオゾン層非破壊型の冷媒を採用している。モジュール重量は2,948kg、サイズは287cm×127cm×203cm。
また、独自の技術である磁気軸受けを採用した高効率な熱回収システム(商品名:Thermapower™ Organic Rankine Cycle(ORC)モジュール)を採用している。
アクセスエナジー社は、米国カリフォルニア州セリトス市に本社を置く会社であり、それまで未利用であった商用および産業用設備からの小規模な排熱あるいは圧力を効率良くエネルギーに変換するシステムの開発、製造、販売、保守を行っている。
第一実業は、今回の日本国内における独占的製造権取得により、本装置に関わる日本国内での製造、販売、サービスの一貫体制を作り、他販売代理店との連係を強化させ、地熱、温泉熱、焼却廃熱、一般工場廃熱等の未利用熱エネルギーの有効活用を検討している日本国内の企業・自治体向けに、国内仕様として最適化させた小型バイナリー発電システムの拡販を図る。
同社は各種産業用機械のトップサプライヤーとしてグローバルに活動を行っており、再生可能エネルギー関連設備や環境対策設備の販売を通じ、環境負荷低減の面において社会に貢献できる環境創造商社を目指す。
原文URL: https://www.kankyo-business.jp/news/007647.php
ドイツの環境学者ワイツゼッカー博士の「ファクター5(明石書店刊)」によれば、現代の経済はエネルギー浪費の上に構築されたものであり、正しい方法で使うことで現在の豊かさは犠牲にすることなくエネルギーと資源消費を1/5にすることが可能であるとしており、ことさら再生可能エネルギーのさらなる開発が必要になるとはしていない。しかし、都市排水や工業廃水などから熱エネルギーを回収して発電すれば、これまで捨てられていたエネルギーのリサイクルとなる優れた方法と言える。 |
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05 May 2014 10:09:47 pm |
環境産業のお祭り |
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2014年グリーンテック賞を「ローマクラブ」が受賞。
IFATプレスリリース2014-05-04より、
5月5日から9日までドイツ・ミュンヘンの新国際展示場で開催される、上下水道・廃棄物処理・リサイクリングなどの環境関連産業を網羅する世界最大級の専門見本市IFAT 2014の開催に先駆けて、5月4日ミュンヘン国際会議場で、グリーンテック賞(Greentec Awards)、IFAT環境リーダーシップ賞の授賞式が開催された。IFATは世界54か国から3,000社が21万平米(ちなみに東京ビッグサイトは8万2千平米)の会場に展示する。2013年の入場者数は12万5千人でそのうち7万5千人が国外からの参加者であった。
この賞は2008年から毎年、環境保護の為に貢献のあった、企業、団体、学校、研究所、芸術家、マスコミなど幅広く贈られている。2014年度の各賞の発表は5月5日に行われるが、それに先立っての前夜祭における発表で「ローマクラブ」が受賞することが発表された。受賞理由として、ローマクラブの主たる活動は人類の未来への可能性の複数のシナリオを作ったうえで、それらを解析し、実行すべき道筋を示すことを行ってきたとしている。受賞した共同会長のエルンスト・ウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー博士は、受賞理由を理解したうえで「ローマクラブは受賞の栄誉に感謝いたします。この世界の環境技術をリードする先端技術が集まったIFATが毎年盛況になって行くのを見て、我々が行ってきたことが実りつつあると実感します。」と謝辞を述べた。
原文(ドイツ語)URL:http://www.ifat.de/link/de/27708451#27708451
会場には、アルトマイヤー環境大臣をはじめとするセレブリティーが居並び、レッドカーペットならぬグリーンカーペットを歩く、政治家、学者、環境運動家、俳優、スポーツ選手などのセレブリティーの姿は、このグリーンテック賞をアメリカのアカデミー賞に代わるような賞にして行こうとする意気込みと、ドイツがグリーン技術で世界をリードして行こうとする意欲が感じられる。セレブの人々は、ポルシェのハイブリッド車で送迎された。
原文(ドイツ語)URL:http://www.greentec-awards.com/greentec-awards.html
数日前までベルリンを訪れていた日本の安倍首相のことは小さくしか扱わなかったドイツのメディアは、このイベントは大きく取り上げている。ちなみに、安倍首相のドイツ訪問に対し、日本の首相には初めてデモが組織され、ベルリンの首相府前で「原発再稼働反対」が叫ばれた。それに対し、安倍首相はドイツの新聞の質問に書面で「日本は島国なので、足りないエネルギーを外国から買うことができないので、安全性が見極められ次第、再稼働してゆく」(フランクフルター・アルゲマイネ2014-04-28)と述べている。
グリーン経済への転換、エネルギー転換を積極的に進めることが、国益と考えるドイツ政府と、いまだにエネルギー依存の旧態依然とした産業構造を守ることが国益と考える日本政府のコントラストを感じる。 |
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04 May 2014 05:13:48 pm |
英国の超低燃費車戦略 |
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英国は超低燃費自動車の開発に5億ポンド(860億円)を財政出動。
ENS-Newswire 2014-05-01ロンドン発、
英国のニック・クレッグ(Nick Clegg)副首相は英国政府が超低燃費自動車開発を加速させる為に5億ポンド(860億円)を支出させると発表した。現在、低燃費自動車、HEV、EVの購入者には5000ポンド(86万円)の初期費用補助を行っているが、この制度をさらに延長して実施するおしておりその為に2億ポンド(344億円)の予算措置が行われた。
超低燃費自動車開発のための5億ポンドは2015年から2020年の間に雇用を増大し、産業、都市、ユーザーにインセンティブを与えるもので、英国をグリーンカー技術で世界をリードする国にして行くものであるとしている。
都市やコミュニティー単位から交通のグリーン化計画の公募が行われ、優れた計画に対しては最高3500万ポンド(60億円)の補助金が交付される。例えば、市民に自動車をやめて公共交通機関や自転車への乗り換えをする、都市改造計画のような場合、協力する市民への報奨金として充てることができる。
クレッグ副首相はさらに、「我々は、5000万ポンド(86億円)を低燃費タクシーの普及に用意している。1億ポンド(172億円)を技術開発の補助金とし、英国を超低燃費自動車技術のリーダーとして行きたい。英国の自動車メーカーは既にグリーンルネッサンスの到来を認識しており、グリーンカーの開発、デザイン、製造ができる世界のリーダーになって行く。専門知識を必要とする雇用も生まれてきており、部品のサプライチェーンの広がりも見せてきている。EV用の急速充電ステーションの為に3200万ポンド(55億円)の予算を付けたが、これは2020年までにMおよびA高速道沿いに急速充電ステーションを整備することに使われる。これによりユーザーは必要な時に、約20分で90%の充電が可能となり、EVでの移動の不安や不便が解消される。英国政府は2015年までに全国のハイウエイ沿線の500のガソリンステーションに急速充電ステーションを設置し終えることになり、欧州では最も整備された国となる。」と語った。
低排気バスの開発にも3000万ポンド(52億円)が充てられている。
超低燃費車とはガソリン換算で1リッターあたり100km以上の走行ができる自動車のことで、これらは非課税となる。また渋滞税も免除となる。これまで不便さを伴っていたEVによる長距離移動は、広範囲にわたる急速充電ステーションのインフラの整備により、不便を感じることなくグリーンカーライフを楽しめることになり、英国はこの分野で世界をリードする産業を擁することになる。
本文URL: http://ens-newswire.com/2014/05/01/uk-invests-half-a-billion-in-ultra-low-emission-vehicles/ |
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02 May 2014 10:33:13 am |
波力潮力発電 |
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再生可能エネルギー ――何故、波力潮力発電は遅れているのか。
Yale360, 2014-04-28 Dave Levitonの記事から、
今日、風力発電がどのようなものか想像することはそれほど難しい事ではない。同じように太陽光発電は、屋根の上の太陽電池パネルや畑だったところに敷き詰められた太陽電池パネルを身近に見かけるようになった。ここにもうひとつ以前から再生可能エネルギーの最有力候補として挙げられていた、波力・潮力発電があるが、それがどんなものであるのか想像できる人は少ない。
風力や太陽光発電は実用化が始まってすでに20年以上が経過し、昨今の気候変動緩和策の一つとしての再生可能エネルギー源の地位を確固たるものにしつつある。波力潮力発電は、長年有力視されて数々の開発が行われてきている。波は、年中絶え間なく起きているし、潮の満ち干も止まることは無く、再生可能エネルギーとしては申し分ないと世界の科学者は研究を重ねているものの、今日に至るまで実用化されたものはなく、未だに実験段階を脱していないのが現状である。
PELAMIS波力発電と言う企業が2008年〜2009年にかけてポルトガルの沖合5kmで20MWの波力発電実験を行ったものが実績として残っている。米国の大企業、ロッキード・マーチン社は世界最大の波力発電プロジェクトをスコットランド沖に建設して62MW(約1万世帯分)の発電を行う計画である。スコットランド沖は、大西洋と北海が接する場所で常に大波が起きている。
しかし、波力潮力発電の問題の本質は、その基本的な方法さえ固まっていないところにある。巨大なヘビ状の浮体をくねらせて発電するもの、ブイ状の浮体の上下運動でフイゴを動かしタービンを回して発電するもの、海底に設置した水車を回して発電するもの、波力潮力をその場で電力に変えて送電ケーブルで陸地に送るもの、機械エネルギーを陸地に伝えて発電は陸上で行うものなど、基本コンセプトがまだ検討段階にある。
GEやシーメンスと言った、再生可能エネルギー発電設備の大手企業では、既に風力や太陽光発電では第三世代と呼ばれる段階に入り、設備コストダウン、効率アップ、保守性の向上が進められているが、波力潮力発電では、ベンチャーの開発競争の中から有力なものが出てくるのを様子見している状態で、自ら開発を行っている様子は見受けられない。
一口に言って、波力潮力発電は、風力・太陽光発電の30年前の段階にあると言える。風力・太陽光発電は1970年のオイルショック直後から開発が始まっているが、波力潮力はそれに比べ大きく遅れをとっている。
しかし波力潮力のポテンシャルは大きく英国の総電力需要の75%を供給可能であり、米国エネルギー庁の試算では、1.17テラワット時でこれは全米の1/4に匹敵するとし、開発に予算が投じられている。
原文(英文)URL:http://e360.yale.edu/feature/why_wave_power_has_lagged_far_behind_as_energy_source/2760/
ドイツの環境学者ワイツゼッカー博士の「ファクター5(明石書店刊)」によれば、現代の経済はエネルギー浪費の上に構築されたものであり、正しい方法で使うことで現在の豊かさは犠牲にすることなくエネルギーと資源消費を1/5にすることが可能であるとしており、必ずしも再生可能エネルギーのさらなる開発が必要になるとはしていない。波力潮力のようなビッグプロジェクトは、重工業が好むところであるが、開発に要する資源とエネルギーと発電するエネルギーのコストバランスを良く検討して、単に建設企業の売り上げ向上の助けとなるだけと言うことにならないように留意するべきである。 |
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