ダンテの森    
24 Aug 2013   10:20:15 am
低エネ建築の法制化
住宅のエネルギー効率を最初に法制化したのはスウェーデン(1973年)
ファクター5から、

 エネルギー効率は1973年のオイルショック以降初めて公のテーマとなった。最初2,3の国で家庭でのエネルギー浪費を話題にし始めた。スウェーデンが1975年にスウェーデン建築規準(Svensk Byggnorm)の導入という第一歩を踏み出した、これは最大U値(1平方メートル当たりと摂氏温度ないしはケルビン=Kのワットで示した温度喪失)を家屋内の外壁、屋根、床、窓の4つの場所に定めた。

 例として、単純にガラスをはめた窓のU値は5.6だが、二重ガラスの場合は2,8となるが、スウェーデンの1975年の基準は、これよりもずっと厳しいものであった。許可されたU値は数年更に大幅に小さくなり厳しくなっていった。

 他の場所でも物理学者や建築家が、エネルギー喪失をより本質的にさらに引き下げることに成功した、特に最も成功したのはドイツ・ダルムシュタット(Darmstadt) のウォルフガング・ファイスト(Wolfgang Feist)のグループにより開発されたパッシブハウスであった。スイスではパッシブハウスをミネルギーハウス(Minergie-Haus)と呼んだ。これらの基準は今までどこでも法的に規定されたものではないが、しかしこれを立法機関では、少なくとも何か妥当な基準値を使用するために、参考値として使用している。

 又他の国々もエネルギーの効率化に続いて、より改善された建築基準を作りだした、アメリカ合衆国や、EU諸国内の2,3の国々、中国、日本並びにオーストラリア等である。英国政府により提出されまたその間に法律に制定されたものは、後に長く継続して住めるための規範でエネルギーの節約(そして水の効率)をしっかりと規制している。段階的に設定された目標は2010年までに効率の向上を25%要求し、2013年までに44%そして2016年までには100%で、これは排出がゼロを意味する。さらに、英国政府は、持続可能指数で最高点(6段階)に達したすべての住宅に対し、税務上の優遇措置を決めている。

 このように、建築物の低エネルギー化を計測し評価して法的に規制したり、税法上の優遇措置を取る事は、有効な手立てである。
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19 Aug 2013   06:17:40 am
環境リバウンド
省エネに成功すると、市場が拡大し結果として資源消費が増加する
ファクター5第八章環境リバウンドから、

 技術者や科学者が省エネ技術を開発して、それが大きな効果を表すとエネルギーの消費量が減ると思うのが普通であるが、実際の市場ではそうは行かない。ある分野の省エネ対策が成功して、エネルギー消費が少なくなると分かると、その商品は大幅に売れ行きを伸ばし、市場規模が大きくなり、省エネで節約した分よりも結果としてエネルギーを余計に消費する事になる。

 その良い例は1969年に出てきたジャンボジェットである。それまで、一部の人のものであった海外旅行が、ボーイング747の出現により、一人当たりの燃費や経費が1/4になった。すると、旅客の数はあっという間に20倍になり、結果としてジェット燃料の消費は5倍になった。これを環境リバウンドと呼ぶ。

 物知り顔の経済学者達がリバウンド効果について解説する時は決まって皮肉のこもった結論は我々にはこのように聞こえる「これらのありとあらゆる全ての努力はいずれにしても無駄となる。人間が持っている、もっと快適な生活がしたいと言う本性を我々は変える事はできない。そうであれば、流れに任せて生活と成長を楽しめば良いと言うことになる。まあ、その続く限りはね。」この種のレトリックはかなりの影響力を持って広がる。しかし、この論点からは効率向上の効果は分野毎にかなり異なった結果をもたらす事が抜け落ちている。表では米国の住宅建設におけるリバウンド効果を調べる為に、全68の項目にわたる経験的調査結果がそれを証明している。


 当時の米国のレーガン政権とサウジアラビア政府は、米国内のエネルギー消費を削減しようとする動きを封じる手段として政治的に原油価格を低く誘導して、米国内のエネルギー価格を低く抑えた形跡が有る。その他にサム・シュール(Sam Schurr)のような、資源効率の向上そのものが低価格を誘導すると言う主張もある。これは資源効率向上技術が効果を出すまでには10年程度の期間が掛ると言うことから、必然的に原油価格が高価である時期(1973〜1982)を経た後になって広まってくると言うことで説明できる。その他、表から分かるように、資源効率の向上は全ての分野で行われている訳では無いし、環境負荷の軽減として現れてくるにはしばらくかかる。
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18 Aug 2013   11:38:28 am
企業の自主的省エネ
CSR(企業の社会的責任)としての資源生産性の向上を目指すEMS
ファクター5第七章「経済的手段」から

 経済的手段と共通している自主規制と環境マネジメントシステム(Environment Management System, EMS)についての話である。これは、法律で定められた規制値に縛られるものではない。産業は本質的に国家が法律によって規制をすることには反対である。自主規制は1970年代にその起源を持つ。国家の規制によること無く、企業が自主的に設定した工程表に従い多くの目標を達成することができる事を証明している。

 今日、これらの自主規制はCSR(企業の社会的責任)の範囲において行われている。特に公共の批判にさらされている企業、例えばシェル石油、ナイキ、マクドナルド、ウォールマートなどがCSRの先駆者であることは知られている。これは成功した企業が批判をかわす策にすぎないとの批判もある。しかし、もし環境負荷軽減と言う最重要課題が達成されるのであれば、それを行う動機は大した問題では無い。

 EMSにおいて資源効率に関しては、ぼんやりとした目標しか示さないがCSRよりは、具体的である。一般的に、法規制を伴うEMSと、企業コンプライアンス以上の自主的マネジメントに分けることができる。EMSは、主に過去20年の間に開発され、当初は法的規制への対策としてつくられた。国際的環境マネジメントと言えるISO14000は1996年に作られ、2004年に実務化された。おなじみのPDCAサイクルを回すと言う手法が取られている。
EMSの長所はつぎのようにまとめることができる。

■スリム化:企業はEMSによって、水資源、エネルギー、金属資源の消費の削減を行う事で、コストの低減を行い財務の改善に貢献する事ができる。
■自主規制:国家による規制を受け止め、緩和した形で経営の状況に適応しながら規制を行う事ができる。
■権利の平等:高い環境スタンダードを有する国の企業は、投資先の国においても自国の高いスタンダードを守ることができる。
■報告義務の簡素化:EMSを実施している企業は、報告の義務を免除される。
■報告の改善:環境への取り組みをステークホルダーに対して発信する際に、共通言語を用いる事で効率よく伝えることができる。
■入札時の特典:EMSを導入している企業は入札時に優遇される。EMSを導入していない場合、該当する証明書が入札から除外される事もある。
■イメージの向上:EMSの導入は、企業の環境に対する責任の所在を明確にしているとして、企業イメージが向上する。
■ロゴマークの表示:認定された企業は、EMS認定企業の表示をする事が可能で、インターネット上の認定リストに記載される。これは、品質保証書としても機能し、国際的な団体からの推薦を受ける事もできる。
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14 Aug 2013   11:41:02 am
ネガワット(節電所)
アメリカの中でも異色のカリフォルニア州の環境意識は高い
ファクター5より、

 需要家の節約により余剰となった電力を、発電したことと同等にみなす考え方。節電所とも呼ばれる。これが1970年代以降ネガワット(Negawatts)というエイモリー・ロビンスの素晴らしいアイデアがあった。

 節電の目的を「善意」から「ビジネス」に置き換えることと捉えることができ、電力事業者にとっては、ピーク時にあわせて用意した発電設備が、需要が少ない時期に遊休となるリスクを回避できる利点がある。

 最大のコスト削減は、新しい発電所を建設しない事である。新しい発電所に対する地域住民の反対が多ければ多いほど、その建設は遅れ当然費用は増加する。コストの節約は電力大手にとっては十分な利益に繋がる。

 さらに例えばカルフォルニアでは電力大手に対して、節約の効果目標を達成すると、(利用者はより高い電力料率を適用されるが、毎月の電力料金は低下する)より価格の高い電気料率が認められた。

 累進的な電気料率は利用者側においても適切な節約環境に心を配ることになる。カルフォルニアのシステムは、アメリカ合衆国の他の州の電力消費が大きく伸びている間、劇的に成長する州が長期にわたり一人当たりの電力需要を安定させるために考案された。

図は、カルフォルニア政策から30年後のエネルギー生産性はUSAの平均値と比較し、2倍に相当するほどになったことを表している。

 以上は、「ファクター5」第六章法的規制からの引用であるが、オバマ第二次政権は、CO2を1960年代の水銀、ヒ素、カドミウムなどの汚染物質と同じに扱い、環境庁の権限により石炭火力発電所が排出するCO2の上限値を決定できるとした。

 これにより全米で約600の旧式の石炭火力発電所が即時閉鎖に追い込まれる。しかしカリフォルニア州には、規制値を超えるCO2を排出している発電所は無くこの法律の適用による影響は無い。

 全米の各州は、石炭火力に較べCO2排出量が半分の天然ガス発電所への切り替えに進むと思われるが、カリフォルニア州では天然ガスでも半分のCO2は排出される。カリフォルニア州の目標はCO2ゼロが目標なので、更なる省エネこそが最も有効な対策だと息が荒い。
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12 Aug 2013   04:11:06 pm
環境首都フライブルグ
産・官・学・市民がつくった環境首都
ファクター5から、

 1970年代に酸性雨から「黒い森」を守るためと、原発建設反対の為に立ちあがった市民が作り上げた、環境首都として知られるドイツ、フライブルグ(Freiburg)市議会は、新築に際して暖房の為のエネルギー消費を従来より80%削減しなければならないと条例で定めている。

 市の管轄下の新築と、市有地及び市の助成を得て造成された宅地に新築される新築に適用され、暖房用エネルギー消費が65kWh//年を上回ってはならない。

 これは、平均的な従来の住居の暖房エネルギーが220 kWh//年であるのと較べると70%の改善となる。ボーバン(Vauban)とリーゼルフェルト(Rieselfeld)と言う住宅地は約1万8千人が居住しているが、ここの住居は100%市の65kWh//年条例に適合しており、この事は海を渡ってクリントン気候イニシアティブ(Clinton Climate Initiative, CCI)でも話題となった。

 低エネルギー住宅にする為の建設費用は7%程度高くなるが、節約されるエネルギーコストの数年分で償却される。

 フライブルグ市にフラウンホーファー研究所(Fraunhofer Institutes)が、モデルとして作ったソーラーハウスは、屋根と壁に付けられたソーラーパネルに降り注ぐ太陽エネルギーだけで全て必要なエネルギーをまかなうと言うもので、電力線への接続をしていない。

 このソーラーハウスの南側の壁の65%は、透明の断熱壁で、昼間は太陽光を室内に入れる、断熱壁の素材は日中の太陽光を熱に換えて蓄積するもので、日没後も8時間以上暖かく、これ以外に暖房は必要としない。それ以外にも熱源が用意されている。一つはヒートポンプシステムで、地熱、排気、キッチン排水、風呂の排水から熱を集めて熱源になっている。最後の一つは、燃料電池で水素ガスから電気を作り、出される副産物は温水である。

 フライブルグ市にはソーラーパネルメーカーの開発製造をはじめとして、グリーンビジネス関連企業が多く集まり、新たな雇用を生み出している。単にCO2排出量が少ないだけでなく、実際にグリーン経済への移行が始まっているモデル都市である。

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