2012年が持続可能社会へ近づく年となりますように。
昨年は地球の人口が70億人を突破した。10億人の先進国、30億人の発展途上国そして30億人の後発開発国の人々がこの奇跡の惑星に住んでいる。
生命を育む条件が整っている奇跡の惑星が生まれたのは46億年前と言われている。当時の大気には高濃度のCO2が有ったが、32億年前に現れた植物性プランクトンの光合成により徐々にCO2は減少し長い歳月を経てやっと現在と同じ程度の濃度となり8億年前に多細胞生物が現れ、20万年前にぼくたちの祖先と言われるホモサピエンスが現れた。1万年前に農耕と牧畜が始められ、200年前に産業革命が起きた。
かつて高濃度であったCO2は光合成により油脂に変わり海底に沈み圧力で地層となっていた。これが石油や石炭である。ぼくにはこれは地球と言う奇跡の惑星が生命体を育む為にCO2濃度を下げる為の準備だったと思える。
産業革命はそれまで人力、家畜、風力、水力等で行っていた作業を機械に置き換えた。その為には動力のエネルギー源が必要で石炭石油を掘り出して燃やすようになった。電気の発明は発電所を必要とし、自動車は石油を必要として、人類はかつて地球がそっと地底にしまっておいた石炭石油を掘り出して燃やしCO2にして大気中に放出をしている。その為に過去何万年も変化が無かったCO2濃度がこの100年間で急激に上がり、それにつれて地球の温度も上がった。これが地球温暖化だ。
地球が育んできた生命体の頂点に立つ人類が母なる地球を傷めている。現在の地球温暖化を引き起こしたのは10億人の先進国のぼくたちだ。今発展している30億の人たちがぼくらと同じ方法で化石燃料を使うと単純に考えて3倍の速さでCO2濃度が上がることになり、残りの30億の人々が発展する前に奇跡の惑星は人類を養って行けなくなってしまうかも知れない。時間はもう無いのだ。
ファクター5でヴァイツゼッカー教授はエネルギー効率を5倍にする方法が既にたくさん存在する事を証明している。さらに10倍にする事も可能であるし、ゼロエミッション(排気ガスがゼロであること)も夢では無い。方法はあるのだ。これを実行するには乗り越えなければならない幾多の壁が有るが、一番大きなものはぼくたち自身の考え方の改革であろう。
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