期待される学際を超えた名古屋大学環境学研究科の存在
2月27日から名古屋大学環境学研究科の主催で開かれていたグローバルCOE(臨床環境学)のシンポジウムを取材してきた。
最終日の昨日29日は、野依記念ホールでの「地球に優しい資源・エネルギー利用へ −東日本大震災から1年」をテーマに特別公開講演会であった。
林良嗣教授の総合司会で開会され、今回のテーマと登壇者の紹介が行われた。プリンストン大学の眞鍋淑朗教授は専門の気象学から地球温暖化は実際に起きていると言う証明がなされ、その原因は人間の活動によるCO2の排出であり、現在の各地で発生している異常気象の原因にもなっているとの話があった。
続いてマックスプランク研究所のハンス・ペーター・デュール教授は人間が地下資源を使っているのは環境が埋蔵した資源を盗んでいるのであって、人間は早くそれをやめて無限に降り注いでる太陽のエネルギーだけで生活できるシステムを作るべきであるとの話をされ、専門の核エネルギーは地下資源の代替エネルギーにはならない、何故ならウランも地下資源だからだと結論した。
エルンスト・ウルリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカー教授はファクター5に書かれている現在の資源の使用効率を5倍に上げて資源の使用を1/5に減らす事が最短の方法で、その方法は既に存在している。それでも足りない場合は再生可能エネルギーを使えば良いと話した。
最後に東京大学の米本昌平教授は環境問題と国際政治の関係を論じ、領域を超えて環境問題に取り組む事が肝要であると話した。
最後に中日新聞社論説員の飯尾歩氏をモデレーターにパネルディスカッションが行われた。今回のテーマ「地球に優しい資源・エネルギー利用へ −東日本大震災から1年」に対し2人のドイツからの先生は明らかに反原発の姿勢を示していたが、日本人の先生からは科学的にきちんとした評価を行った上で検討されるべきとする立場であった。
今年で発足10年目を迎えた名古屋大学環境学研究科は自然科学、社会科学と言う学際を超えて地球環境問題を研究する大学院研究科であるが、ますますの今後の活躍を期待したい。
今回お世話になった林良嗣教授にブログ上を借りて心からお礼を申し上げます。
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