デンマークの風力発電
昨日のNHKのゴールデンアワー番組「地球イチバン」をご覧になった方も多いと思う。デンマークのロラン( Lollnad )島を取り上げていた。デンマークは1970年代のオイルショックの際にエネルギー危機に陥り原発導入の議論が巻き起こった。その時にNGOが立ち上がり単に原発反対を唱えるだけではなく、3年間の原発導入への学習期間を要求した。政府はそれに同意し国民に出来る限りの情報提供を行った。結論として1985年にデンマークは原発は導入しないと決定した。原発に代わるエネルギー源として風力発電が発展していったと言う歴史が紹介されていた。その時のスローガンは「決めるのは国民だ!」であったと言う。高度に啓蒙された民主主義国ならではの問題解決方法である。
当ブログの9月13日にも書いたが、今の世界の風力発電の動向と日本のそれを較べるとその差が余りにも不自然にかけ離れている。現在発電量世界ランキングの1位は中国で42.3GW(ギガワット)、2位はアメリカで40.2GW、3位はドイツで27.2GWで日本は全くベスト10には入らず現在2GWの発電量しかない。昨日の番組でも経済評論家の荻原氏が風力発電の非連続性を指摘する発言があったが、これが現在の日本人に植え付けられた風力発電に対する平均的認識である。
経済産業省が原発を推進したい余り、他の再生可能エネルギーには全て蓋をしてしまっており、メディアはそのお先棒を担いでいた結果、日本人の意識に風力発電や太陽光発電はお天気まかせであてにならないエネルギー源であるとの常識が刷り込まれてしまっている。このいずれも出来る限り広い範囲に立地する事でお互いに補完しあうので電力が途絶えてしまう事が無いような運用が可能なのである。
アメリカや中国は表向きには京都議定書に批准しないなど地球温暖化対策に消極的な印象を与えているが、実際には着々と次世代エネルギー源を構築しつつある。国家のエネルギー戦略が存在している。日本には産業保護の政策が有るのみで国家戦略は残念ながら無い。
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