エネルギーについて真剣に考える日としたい
大震災から1年。犠牲者の御冥福と復興への前進を厳粛に祈念いたしました。
ぼくがこのブログを書く決意をさせたものは東北大震災と福島原発事故だ。2011年3月21日付けのオーストリアのウイーン新聞(Wiener Zeitung)にフォン・ヴァイツゼッカー教授はインタビューに答えて「私たちは100年後には、あのフクシマが原発時代の終焉の始まりであったと言う事になるでしょう。」と答えていたのを読んだ時である。
ファクター5には持続可能性社会を築く為の省エネを具体的な例を挙げて、資源を5倍に使う方法が既に有る事を書いている。彼は既に15年前にも前著「ファクター4」で50以上の例を挙げて資源を4倍に使う方法を述べていた。しかし、この15年間に省エネはおろかエネルギーの消費量=GHG(地球温暖化ガス)の排出量は増加の一途をたどっている。
そこに起きた福島原発事故は果たして私たちにエネルギーについて真剣に考える事を始めさせただろうか。残念ながら政府、産業界、学会、マスコミは原発が無くなることによるエネルギー不足の事を心配するのみである。昨年夏、関東は猛暑に襲われた、政府と東電は電力使用量制限の輪番制を発表して、産業界は曜日による大口需要者の使用制限を行って「危機」を乗り切ったとしている。その為に関東の電車まで間引き運転をした。電鉄が消費する電力は2%にも満たないのにである。出勤曜日が変わった産業に勤務する人の生活パターンが変わった事は大変であったかも知れないが、他に関東一円に居住している2千五百万人の人の生活にどれだけ支障をきたしたのであろうか。
エネルギー問題は決して石油の代替エネルギー源を探す事ではない。石炭、LNG、オイルサンド、メタンハイドレート、ウランこれらは全て化石燃料で問題解決にはならない。再生可能エネルギーはまだ高コストであるが、これから徐々に広まるに従いコストは下がるが、なぜもっとエネルギーを必要だと思うのか。
世界のエネルギー総消費量の40%が建築物で消費され、22%が運輸で消費されている。もし全ての建築物をパッシブ設計のグリーンビルにする事ができれば建築物が消費するエネルギー量は8%になり省エネされた32ポイント分だけで原発54基分を大きく上回る。エネルギーはそのくらい無駄に使われているものなのだ。
東北復興は単なる復興ではなく持続可能社会の建設にして行きたいものだ。
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