出だしは良かったが尻すぼみの日本経団連
持続可能な開発の為の世界経済会議(WBCSD World Business Council for Sustainable Development)と言う会議がある。これは1972年にローマクラブが出した報告書「成長への限界」を受けて1990年に世界27ヶ国の経済人のトップ達48名、内日本からは7名が集まり、環境問題を産業をリードする企業としてどう取り組むかを話し合い作られたものである。
特に建築物が排出するGHG(地球温暖化ガス)が40%有る事に注目しこの低減を目指す省エネビルプロジェクト(EEB Energy Efficient Buildings)はゼロ・ネット・エネルギーを目指すとし、ブラジル、中国、欧州、インド、日本、米国の国々のさまざまな産業の建築に関わる専門家達に連携を求めることで建築の省エネを追求すると言う試みである。2007年現在35カ国200社のメンバーで構成されている。
各国にはBCSDの国内会議体が作られ、トップ企業が名を連ねている。設立時には花々しく7名もの企業のトップを会議に送り出した日本だが残念ながらいまだに国内会議体は無く、WBCSDのリストには日本経団連の名前が載せられ、「2003年加盟、早急に国内産業の環境問題に取り組むコンセンサスを取りまとめたい」としている。今現在、経団連内で合意は得られて居ない模様だ。
日本と対照的なのはお隣の韓国で2001年に加盟し、既に国内有力企業が名を連ねて、活動目標、ロードマップも有り具体的な活動を活発に行っている。
アメリカでもUSBCSDは活発に活動しており、2月10日にはバトンルージュで水資源のシナジーについての会議が開催され、この地域の水質、水量、水害を総合的に考慮した省エネについて議論された。この地域は2009年にハリケーンカテリーナで被害を受けた地域でありまだ復興中であるが、企業のイニシアティブで復興計画に省エネが取り入れられる事は大変意義深いと思う。写真は会議が開かれたニューオリンズ。
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