燃費が最大のセールスポイントになってきたアメリカの自動車市場
このブログではアメリカの自動車事情について何度かふれている(2011/12/30等)が、最近はアメリカ市民の自動車観が少し変わり始めたようだ。
アメリカの自動車専門サイトedmund.comを読むと最近のネット上、新聞広告、TVコマーシャルの自動車の広告が一番強調している数字は40MPGだと言う。これは燃費を表す数値で1ガロン(約3.7リットル)で40マイル(約64km)走行するつまり17km/リットル以上の燃費性能だと言うキャッチフレーズだそうだ。
つい数年前まではアメリカには40MPGと言える車は3車種しか市場に出ていなかった。その内2車種は日本のハイブリッド(HV)車で、あとの一台はスマートカーであった。当時、と言ってもほんの数年前であるが、全米の自動車各社は40MPGを現状のエンジン技術では達成不可能でHV等に切り替えるより方法は無いと言っていたのだが、2012年に入って24車種もの40MPG車が市場に投入されている。その内15車種はHVでは無い。新開発の小型高出力エンジンと多段トランスミッションのパワートレイン、新空力設計そして軽量化で達成したとしている。数年前の彼らのコメントは嘘であった訳である。
アメリカでのガソリン価格は高止まりのまま動く様子を見せないのが、40MPGを後押ししている。これでアメリカの自動車の進む方向が決められたようである。次は50MPG(21.6km/リットル)であろう、この数字は日本や欧州ではもう珍しいい数値ではなくなっている。オバマ政権が始めた燃費の良い車のウインドウに貼るEPAステッカーも少しは貢献しているのかもしれない。
いずれにせよ、現在はまだ世界第一の自動車保有台数を持つアメリカであるので、この国での燃費向上は地球温暖化防止に大きく貢献する。40MPGの車は従来の車に較べ年間約1.5トンのCO2の排出を削減する。アメリカは2025年には3億トンのCO2削減を達成しなければならず、自動車メーカーが50MPGからさらに低燃費を競争を激化させる事を望む。いよいよ自動車業界もグリーン経済へと移行し始めた。
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