2012/03/08 環境ビジネスより
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関西電力など、未処理下水を熱源に利用したヒートポンプシステムの実証試験を開始
関西電力、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、大阪市立大学、総合設備コンサルタント、中央復建コンサルタンツは、都市域の下水管路網を活用した下水熱利用・熱融通技術の実証試験設備の実証実験を開始すること発表した。
現在、民生部門におけるエネルギー消費は、冷暖房・給湯用が家庭部門で約55%、業務部門で約40%を占めている。ヒートポンプは、冷暖房・給湯のエネルギー消費削減に最も効果的な機器だが、機器単体の改良だけでは削減効果が限定的であるため、熱源や利用側等を含めてシステム化し、効率的に作動させる技術の開発が求められてきた。2012年度末までに総合効率1.5倍以上を有するシステムの確立を目指す。
都市部等の下水は、冬季は外気よりも水温が高く、夏季の昼間は外気よりも水温が低いため、従来のボイラーに替わる給湯用や暖房用ヒートポンプの熱源水や、冷房用の冷却水としての活用が期待されているが、日本の下水の熱源利用は、ほとんどない。そこで今回、都市部を流れる下水を「熱源」ととらえ、下水熱の利用度を高めるために、既存の下水管路網を対象に、給湯や冷暖房を需要とする建物の熱利用を可能とする下水熱利用システムを開発することになった。下水熱利用システムは、未処理下水用の熱交換器とヒートポンプからなっており、熱交換器の性能評価や耐久性評価も行う。
今回は、大阪市千島下水処理場内に、未処理水を用いる下水熱利用実証試験設備を構築し、実証試験を開始する。今後、冬季と春季までの実証運転を行い、下水熱利用システムの実証を実施。2012年の夏季には、下水熱融通効果を実証するための試験設備を追加構築し、秋季と冬季に実証試験を開始する予定。
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