世界に較べて異常に少ない日本のグリーンビル
建築はGHG(地球温暖化ガス)総排出量の40%を排出している。
グリーンビルとは省エネ設計をされたビルの事を意味し、建物がグリーンに塗装されているビルの事を言うのではない。グリーンビルはGHGを減少させる最も安価で効率的で世界中どこでもすぐに実行可能な方法である。なにも新築に限らず、改築やリフォームでも達成できる。昨年10月17日にこのブログで紹介したが、ニューヨークのエンパイアステートビルが改築でグリーンビルに生まれ変わっている。
グリーンビルの外側に構造はもとより、内部もグリーンデザインでなければならない。内装材は有毒物資を含まないリサイクル材を使い、自然光を取り入れた省エネ照明、省エネHVAC(暖冷房)システム、室内空気品質と循環を考えた設計、リサイクルにより水の消費量の削減、ゴミ排出量の低減など、全ての点が評価され認証が与えられる。
エアフロー・センサーにより制御される空気の流れ、フローリングや家具の配置も空気の流れを考慮に入れて配置される。自分専用のマグを使いたくなるような充実したキッチンデザインは紙コップやペットボトルを減少させる。
いくら省エネ設計のビルでもその立地が公共交通機関ではアクセスできないような場所にあってはグリーンビルとは成りえない。
グリーンビルで働く人たちの病欠率も下がり、仕事の能率が上がる事も報告されている。
LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)認証制度は商業ビルや住宅のグリーン度を調査して認定を与える制度である。2011年現在、11,363の商業ビルがLEED認証を受け、32,773が申請中である。日本では2011年11月に東京の飯野ビルがLEEDプラチナ認定を受け、今年に入ってNTTファシリティーズビルがLEEDシルバー認定を受けたが、世界の中では著しく少ない。
日本はそろそろエネルギーを作り出すよりもエネルギーを使わない事の方が、優れた持続可能性社会への道である事を学ぶべきである。
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