ドラスティックな軽量化は望めない現在の設計体制
GHG(地球温暖化ガス)排出の22%は運輸部門である。その内44%は乗用車が占めている。乗用車は今後中国、インド等の開発途上国で爆発的な増加が見込まれている為、2010年には世界で年間5千万台が生産されたが、2020年には7千2百万台が生産される事になる。これらの新車は大幅な軽量化、エンジンの小型化が図られなければならない。
従来の自動車の設計は図で示すように、車体設計、パワートレインと呼ばれる推進系、シャーシー、電装系、整備、流体力学がそれぞれ現有の技術に改善を重ね現時点で最高の効率を達成できる成果を持ち寄る形で行われている。
各部門が割り当てられた設計要素の開発に集中する事で専門化の効果を最大化するようにデザインされた分業化の製品開発と呼べる組織で設計し、パフォーマンスを最大化する方法である。
しかし、この方法では車重を大幅に軽量化すると言う目標を設定しても、各部門ごとに現有技術に基づいた改善の積み重ねを行っても他部門との擦り合わせを考えると従来の仕様から大きくかけ離れた設計は行えないので、革命的な改善は期待できない。
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