ダンテの森    
15 May 2012   06:05:21 am
持続可能性企業格付け
持続可能性企業格付け

2012/5/1 EIRISのニュースから

 英国のESG(環境・社会、ガバナンス)等の非財務評価機関であるEIRISは、2000社を超す世界企業を対象としたサステナビリティ格付け評価を発表した。トップ評価を得たのは、ドイツのスポーツウェア企業のプーマ。トップ10社のうち9社までが欧州企業だった。米企業や、日本を含むアジア企業で高い評価を得た企業はきわめて限られている。EIRISはその理由として、「欧州では環境・人権等の法規制が明確であることと、市民のESG評価が高いことが影響している」 (Mark Robertson, report author and Head of Communications at EIRIS)と説明している。

 EIRISの格付けは、6月に開かれる Rio+20 earth summitに向けて、サステナブルな企業活動を広げることを目指して評価された。FTSAのAll Workd Development(AWD)Indexに組み込まれている2063社が評価の対象となった。この中で、最高評価を得たプーマ(ドイツ)は途上国に製造工場を持つが、EIRISは「同社の環境マネジメントシステムは非常に優れているほか、報告実績も群を抜いている」と高い評価を与えた。

 トップ10社は「サステナビリティ・リーダー企業」と評価されている。2位は英国のファーストグループ、3位はオーストラリアのナショナル・オーストラリア銀行(NAB)、4位は英国グラクソ・スミス・クラインの順。欧州企業以外でリーダーに選ばれたのはNABだけ。50位以内には、米エクソンやトヨタも選ばれたが、格付けは米日企業は相対的に低い。

 日本企業で50位以内に唯一入ったトヨタも、格付けは中間のC。その理由として、トヨタは自動車産業という産業自体の持続可能性に課題があるという点を指摘する一方で、その中でもハイブリッドカー等グリーンカーでリードしている点をプラス評価した。ただ、同業他社に比べて、人権問題、サプライチェーン問題等に課題があると指摘している。

 また米企業の評価も相対的に低い。アップル、グーグル、ウォルマートはそろってD評価。マイクロソフトはC評価。アジア企業で50位以内に入ったのは、トヨタ以外ではサムソン(C評価)だけ。

 金融機関ではANBが高い評価を得たものの、50位以内に8社が入ったが、NAB以外ではトロント・ドミニオン(カナダ)がB評価を得たくらいで、HSBC、シティ、ウエゥトファーゴなどがC。JPモルガンチェースはD。また、日本の金融機関は評価どころか、全く50位以内に姿をみせていない。日本の金融界は「金融行動原則」をまとめ、100を超す金融機関が署名をしているというが、実績にほとんどつながっていないうえに、世界の基準で評価されると、「論外」な存在であることが改めて浮き彫りになった形だ。

つぎのURLで原文の報告書がダウンロードできる
http://www.eiris.org/files/research%20publications/EIRISGlobalSustainbailityReport2012.pdf

カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
 
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