日本人の1/4しかエネルギーを使っていないタイ国民
今ぼくはバンコクのホテルでこのブログを書いている。タイは人口7千万人、平均年収は40万円位の典型的なアジアの発展途上の国である。今月20日からブラジル・リオデジャネイロで開かれるリオ+20 国連持続可能な開発会議では開発完了国(OECD諸国)とタイなどに代表される開発途上国の対立が予想されている。
ここに2011年にNEDO(新エネルギー開発機構)がタイで現地調査したタイ国民の省エネ意識調査がある。それによると、タイ国民の省エネ意識は大変高いと言え、電気機器を使わない時には必ずコンセントを抜くと答えた人は73%で98%が今後は抜くようにすると答えている。また、電気製品購入の基準に省エネを93%の人が重視するとしている。
タイ政府は、90品目の家電製品の省エネレベルを5段階に分けて評価し、省エネラベルを製品に貼る事を推奨しているが、実際に貼られているのは最高ランクを受けたレベル5の製品のみで、他の製品は義務付けられていない為に貼られていない。
タイ政府は2011年に省エネ戦略計画を発表している。それによると1.省エネルギーの推進。工場、ビル、家庭で2021年までに4%の省エネを推進する。2.再生可能エネルギーを2021年までに9%増加させる。との大変消極的な計画を発表している。タイ国民の省エネ意識を代表している目標数値とは言えない。しかし、これが開発途上国の平均的なスタンスである。
タイ人一人当たりの年間電力の使用量は2720kWhで、日本人は8760kWhで日本人の1/4でしかない。
その為、開発途上国はもっとエネルギーを消費する権利が有ると主張しており、国際会議では常に先進国との対立が起きる。エネルギーを使わずに豊かになれる方途を示すのは先進国の義務である。
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