アメリカ消費者の環境意識の表れか
米国農務省の報告によると、2011年の全米のファーマーズ・マーケットの数が前年より9.6%増えて2,864個所になったとのことである。
もともとアメリカのフードマイレージ(食料品がどの位遠方から運ばれてくるのかを示す指標で、国民が食べる食糧1トンが何キロメートル運ばれてきたかを示す。単位はトン・キロメートル)は少なく1,051である。ちなみに日本は7,093、英国は3,195、ドイツは2,090、フランスは1,731である。昨今のローカル・ブームで地元農家が作る農作物を好んで購入する都会の消費者が増えている。
大量のCO2を排出して長距離を運ばれてくる農作物は、熟れる時期よりかなり早い時期に収穫されて低温輸送されて来て、スーパーマーケットの店頭に並ぶ頃に熟れるように調整されているが、ファーマーズ・マーケットの作物は食べ時に熟した作物が地元農家によって販売されているので美味しい。
また、広大な土地で同じ作物を栽培するモノカルチャーは生物多様性の面からも環境負荷が大きい。
ただ、フードマイレージだけで環境負荷は測る事ができない。例えばトマトを英国でハウス栽培するよりもスペインで作って船で運ぶ方がトータルエネルギー消費量は少ないと言う例も有る。
また、農産品輸出に頼っている貧しい国々の人々から収入源を奪う事もできない。すべてのバランスを配慮した消費者の行動が重要であり、その為の適切な情報が消費者に届くようなシステムも必要である。
アメリカ東西海岸の大都市でのファーマーズ・マーケットの数が多く、その増加率も多いのは、大都市市民は環境問題に敏感であると言えそうである。
この傾向が単なる内向きナショナリズムの表れではない事を期待したい。
農務省報告の原文
http://www.ams.usda.gov/
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