熱の固まり、ポートランド・セメント
GHG(地球温暖化ガス)排出量の5%を占めるセメント産業は現在3Gton(ギガトン)の生産量であるが、2030年には5GtonになりGHG排出量も8%になるとの予測がある。
今セメントと言えばポートランド・セメントの事を言う。産業革命と同時にイギリスで発明され現在に至るまで使い続けられている。石灰石(ライムストーン)を1850℃もの高温でキルンと呼ばれる回転窯で焼結させて作る。セメント製造時に発生するCO2はほぼ50%がこの工程で出される。1トンのセメントを製造するのに0.36〜1.09トンのCO2が排出される。燃料を燃やす時に出るCO2が40%残りの10%は使用する電気を作る時に排出されたものである。
湿式キルンを乾式キルンに変える事で30%のGHG排出量を減少できる。中国では2000年に12%であった乾式キルンが2005年には53%に増加した。ありとあらゆる改善をする事で後30%の省エネが可能である。しかし、何故このように熱エネルギーを多量に消費するポートランド・セメントが200年に渡って使用され続けてきたのか、全く不思議に思う。
当ブログの8月20日と9月7日で取り上げたアルミノ・シリケイト(ジオポリマー)セメントに代えれば直ちに80%の省エネになる。
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