省エネリバウンドを防ぎ持続可能社会を築く政策
ファクター5の最終章ではエネルギーと資源の価格を上げて行く事が環境と人類の営みのバランスを取り持続可能社会を実現する方法の一つとして示されている。
さまざまな技術革新によって省エネや省資源が達成された場合、その実績に応じて環境税を課す事でエネルギーと資源の価格を上げて行くと言う方式である。それまで、ある金額で得られていた快適さや利便を省エネや省資源が達成された後も同じ金額を払い続けると言う方式である。最終消費者は従来と同じサービスを受けるのには同じ金額を払う事になる。こうしておかないと省エネや省資源で需要が下がると価格が下がり、価格が下がると次に別の消費先が作り出されてまた消費が増えると言う一番恐れるリバウンドが起きてしまう。
これにより生まれる新たな原資は、省エネや省資源を開発し、その為に努力や労務提供を行った企業や家庭に対しての報償や、リベート、補助に充てられ更ななる省エネ、省資源を推進する希望や力となるべきものである。
しかし、この方法が全ての業界に当てはまる訳ではない。例えば運輸業界や電力業界には別の方式が考慮されるべきであろうし、その他のいくつかの例外的な業種やグループの為になにがしかの原資のプールも必要になるかも知れない。
しかし、そのような例外はあくまでも期間を限られての措置であるべきで、特別権益を得られるようなグループができないような歯止めが必要である。
海外では、炭素税としてフィンランド、オランダ、スエ―デン、ノルウェ―、デンマーク、ドイツ、イタリア、イギリスで既に導入されている。
現在の民主党野田政権は消費税で精一杯で、環境税などとてもおぼつかないが、持続可能社会を目指す上で避けては通れない議論である。増税には何でも反対の政党が多いし、財界も労働界も反対が予想され我が国での成立は簡単ではない。
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