省エネは再生可能エネルギーより賢い選択
GreenBiz.com 2012.06.15 Marc Guntherの記事より。
建築物はこの国におけるクリーンエネルギーの最大の資源であり、最も低価格で採取が可能である。エンパイアステートビルディングのオーナーTony Malkinは、6月13日〜14日にワシントンDCで開催された北米・省エネフォーラム2012で講演した。
もし、我々が―と言うより我々を代表しているワシントン政府が―再生可能エネルギーに注ぎ込む予算より1ドルでも多くを省エネに使ってくれていれば良かったのに、と彼は語る。
今日の太陽光パネルと風力発電関係企業は、税の据え置きを受けたり、補助金を受け取ったりしているのに、省エネ関係産業には全くそれが無いのは逆である。省エネも再生可能エネルギーも一時的な職場を提供するものと仮定した場合でも省エネはアメリカ国内の産業であるのに対して太陽光パネルは中国の産業である事を考える必要がある。さらに、省エネは一時的な産業では無く継続的に雇用を生み出す産業である。
問題は風力も太陽光パネルも生み出す電力は化石燃料よりも製造コストが高いと言うことである。それを無理やり補助金や税制で市場に受け入れられるものにしている点にある。このモデルは将来にわたり補助金でヤク漬けにする新たな産業を作るだけである。
それに較べて省エネはコストを長期にわたって下げて行く。工場にせよ、商業ビルにせよ、住宅にせよ、車でさえ省エネへの投資は経済構造をより効率の良いものにし、長期にわたる雇用を生み出す。
科学者達は、2050年までにCO2の排出を80%カットしなければ地球環境は守れないと警告しており、時間が無い。省エネも再生可能エネルギーも政府の保護を必要としている。政府の目を省エネに向けさせる必要がある。
このうように語ったTony Malkin氏がオーナーのエンパイアステートビルは2007年にグリーンビルに改築したことで、38%の省エネを行い改築費用の70億円は3年間のエネルギーコストの削減分で償却している。これは100MWの石炭火力発電所1.7基分の電力をエンパイアステートビルがクリーンに生み出したのと同じことにである。省エネ=発電である。
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