原油価格が高騰しても新しいエネルギーが新産業として景気を良くする
交通が使用するエネルギーがファクター5を達成すると、これまで採算性が悪い為に市場から興味を持たれなかったCO2を出さない燃料や、再生可能エネルギーを使う交通手段が商業ベースに乗るようになってくる。最新の研究によると2050年には技術とデザインのイノベーションにより交通は全て再生可能エネルギーで運転されるようになると言う。これを実施した国家や都市では地球温暖化ガス(GHG)の排出が減少するだけではなく、次のような恩恵にあずかることになる。
―都市部の大気汚染問題の解決。
−健康的な生活の推進
―交通に費やするコストの低減
―景気の刺激、グリーン経済への移行
更に国家戦略的には交通に欠かせない燃料が自前で供給できるようになることから、国の独立性を保ちやすくなる。
専門家の調査によると現在の原油価格の高止まり状態は1バレル100ドル付近に固定化される傾向にあり、今後幾分かの上下を加えながら2030年には200ドルに向かうとしており、いずれにしても安価な原油価格の時代は終わったと言える。
現在の経済は原油に依存している部分が大きく、これまでの原油の高騰は不景気を呼んだ。1965年から始まった第一次石油ショックは1973年〜1980年の不景気を生んだ。その後の数度の石油価格の高騰は、インフレを呼び、消費の低迷を誘い、不景気を作ってきた。その為原油の高騰には市場は好ましくない反応をしている。
しかし、ファクター5的にはエネルギー価格が高くなる事は好ましいことである。但し、原油価格の高止まりはこれまで不採算とされていた、石炭の液化やシェールオイルの採掘を誘因するので、これを阻止する手立てが必要となる。
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