私たちの奇跡の地球には時間が無い。
持続可能性社会へのテクノロジー開発の実態はと言うと設計の専門家達は、世界で開発されている個別の新しい技術を統合する持続可能システム技術の開発を始めたばかりである。全体システムデザインとしては効率アップの為の方法の開発の初期の段階にある。
しかし、これが標準化されるまでにはフィールドテストと呼ばれる実証実験を経なければならずこれが大きな問題となる。我々の奇跡の地球はそれを待つほどの時間の余裕が無いのである。トライアンドエラーを繰り返し、データを取り、解析をして、論文が作られ、学会で議論をつくし、論文が出版され、標準化委員会に掛けられそこで議論された後に初めて工業標準となる。このプロセスは最低でも10年がかかる。
今、我々が必要としているのは世界の隅々で実践されている有効な省エネの知識を集約して大幅な効率アップ方法をこの10年間に見つけ出し実行する事である。
材料工学のイノベーション、断熱、照明、スーパーウインドウ、インテリジェント電気分配等は全体設計に根本的な設計基準を必要とする。材料工学の開発速度は早く6カ月は「長期」と考えられている。システム設計はとてもそれに追いつけない。
例えば、冷蔵庫の効率は熱伝導によるエネルギーロスが最も大きい。最近欧州で開発された断熱材を使えば一気に50%の省エネができると実証されている。他の例では、新開発の繊維材料を使う事で自動車、航空機、列車、船舶などあらゆる交通機関を画期的に軽量化できる事が分かっているが、その為にはこれらの設計基準を新たにする必要がある。
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