スポーツアパレルブランドのプーマが、リサイクルプログラム「ブリング・ミー・バック」を開始した。
当ブログの5月15日でプーマ社が世界のサスティナビリティー格付けトップになった事を書いたが、2012/4/18付の NY Green Fashionは同社が行っている具体的な企業活動を紹介している。
プーマの店頭にリサイクルボックスを設置し、古着や靴やバッグを回収する。回収した製品は、まだ使える状態なら再利用され、使えない状態ならアップサイクル製品の素材、業務用雑巾、あるいは分解されて新たな素材として生まれ変わるという仕組みである。プーマ以外の製品も持込可能である。まずは本拠地ドイツのみで実施され、2013年1月からは全世界のプーマ店舗で採用される。
パタゴニアやナイキ、ユニクロなど、多くの企業が既に靴やアパレルのリサイクルプログラムを行っているが、プーマの場合は少し異なりプーマ以外の製品でも回収を行い、服でも靴でもバッグでも回収することである。さらに、回収した製品を分別し、再利用不可能な製品でも廃棄せずにリサイクルする。この「ブリング・ミー・バック」は、ゴミが一切出なくなる仕組みである。
作って消費するのは簡単であるが、使い終わった後のゴミの処理は大きな問題で、大量に溜まったゴミから漏洩する化学物質で環境が汚染されたり、多くの国でゴミの埋め立て場所の確保に困窮している。この問題を解決するには、製品を作り出した企業が自らの責任で使用後の製品を回収処分するしかない。
もちろん、消費を抑えることも必要であるが、これから発展期を迎える途上国の人々に消費抑制を訴えるのは難しい。生産企業が回収処分の責任を負うことでしか、現実的な解決の道はない。
プーマは、後発ではあるものの、昨年環境財務諸表を発表するなどサステナブル化を進めている。「ブリング・ミー・バック」プログラムは、2015年までにサステナブル素材の使用率を50%にするという同社の野心的な目標を達成するための一手段と位置付けられている。プーマのプログラムが成功することで、他社も同様のシステムを導入することで持続可能性社会に一歩近づける。誰もが嫌がる他社製品の回収・処理費用負担を、率先して引きうけるこのプログラムに同社の真剣さが伺える。
Puma, Bring Me Back
ウエブサイト:
http://www.puma.com/bringmeback
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