水素還元製鉄はホープ
製鉄はGHG(地球温暖化ガス)排出量の7%の責任があり、セメントと並び単一産業としては大口のCO2排出源である。
1995年の資料によるとドイツの製鉄が最も効率が良く18GJ/t、1トンの鉄を作るのに必要な熱量を18ギガ(10の9乗)ジュール使っている。最悪はインドの37GJ/tで、世界平均は28GJ/tである。ちなみに日本は22GJ/tである。
製鉄業界では熱源を現状では90%は石炭であるのをリサイクル燃料に置き換える研究が行われている。
オーストラリアの研究所によると30%をプラスティック廃材に置き換える事が可能であるとしている。米国鉄鋼研究所(AISI)によると車の古タイヤ、ゴム廃材、廃油などが、有毒物質を大気中に放出しない方法が確立されればと言う条件で代替燃料として使用が可能であるとしている。
最先端技術としてはCO2排出量がほぼゼロになる水素還元製鉄が研究中である。通常、石炭から出る一酸化炭素を鉄鋼石に反応させて鉄鉱石中の酸素を取り去り還元を行うのがあの100mもの高さの高炉で行われている製鉄であるが、この時大量のCO2が発生している。しかしこれを水素で行うと出てくるのは水(H2O)だけでCO2は全く出ない。また、水素分子は炭素分子に較べて小さいので鉄鉱石の奥深く入り還元を行う事ができるので反応時間が1/5に短縮でき省エネになる。
次のURLで水素還元製鉄の詳しい説明とアニメーションを見る事ができる。
http://www.jisf.or.jp/course50/tecnology01/
これ以外に、昔に戻って木炭で製鉄を行う方法が有る。木炭による製鉄は60%のGHG排出量削減が可能であるが、この為にむやみに森林が伐採されると別の環境負荷が増えてしまう事になる。
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