GreenBiz.com 2012-8-16 Heather Clancyの記事より
昔の保護貿易主義者が作った法律が世界の森林を守っている
レイシ―法として知られるアメリカの森林保護法は112年の歴史が有る。当時の共和党の議員で保護貿易主義者のレイシ―氏により米国内の林業保護の為に作られた法律であるが、この共和党が作った法律が世界の森林を守っている。
ブルースやジャズには欠かせないアメリカの象徴的なギターメーカー、ギブソン・ギター社はこのレイシ―法を骨抜きにする為のロビー活動を長年続けて来たが、2011年11月に連邦野生動物局からマダガスカル産の黒檀とインド産の紫檀が違法伐採されたものと知りながら輸入していた疑いで、ナッシュビルの社屋を家宅捜索されていた。
米国の家具メーカーや建材メーカーはレイシ―法を守る為に多大な労力と費用をかけて輸入元の国で材木が違法に伐採されたものではないかどうかの調査をし、証拠となる書類を揃える努力をしている。 また、最近は森林保護協議会(FSC)が証明書を出して、輸入される木材が合法的に伐採されたものであることを証明している。FSCはさらに、社会的環境、例えば違法な程の悪条件で働かされた労働者が従事していないかとか、就学児童を労働力に使っていないかなども、その判定基準にしている。
床材メーカーのアンダーソン樫の木床材(Anderson Hardwood Floors)では、コスト高になったとしても、消費者に良いイメージを与える市場効果の面でプラスに働いているとしている。
現実にレイシ―法には効果が有り、違法伐採は22%減少した。
ギブソン・ギター社は、連邦政府に26万ドル分のフィンガーボード用の黒檀を差し押さえられていたが、この度、和解を決定し連邦政府に30万ドル(2,280万円)の罰金と、国立野生動物基金に5万ドルを寄付することにした。
同じくギターメーカーであるC.F.マーチン社は、この法律のおかげで我々は原材料がどのような環境で生育され、どのような人達により伐採されているかを現地に赴いて自分の目で確認する事を行っている。これは会社全体が環境に対してのかかわりを自覚する事に役だっていると、前向きである。
一国の規制法が環境保護に役立った一例である。
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