今日までブログを書いて見て思う事
このブログを8月15日に始め昨日で90回書いた。ワイツゼッカー博士の「ファクター5」を一人でも多くの人に知ってもらいたいとの思いで書いて来た。総合雑誌月間「潮」12月号から連載されているが、これまで日本国内でこの「ファクター5」に触れるものはぼくが知る限りこのブログ以外には無かった。
ファクター5と言う1の資源を5倍に使うと言う事でしか我々がこの地球で生き続ける事はできない。人類は産業革命以来200年間にわたって、地球の化石燃料を使い続け地下深く埋蔵されていた炭酸ガスを大気中に放出し続けてきた。その結果CO2は過去1万年の間250〜270ppmで推移していたのがこの200年間で370ppmに1.37倍に増加した。これはまぎれもない事実である。最近の気象変動や地球の温度が上がっている事とCO2等の温暖化ガスの排出問題は関係性が立証されていないとするむきもあるが、ここに掲げたグラフのようにCO2と地球気候変動には関連が有ると見る方が自然であると思う。
その原因となるCO2排出源つまりエネルギーを消費しているトップ3は建築物40%、産業30%、交通22%である。これら全ての分野でのファクター5の達成は可能である。いかに人類がこれまでエネルギーの効率化について考えなかったどころか、エネルギーを大量に消費するもの=豊かなものとの幻想を持っていたと言う事が分かる。建築物が消費するエネルギーはその基本設計から考え直す事でファクター5が達成でき、その実証例は今や数限りなく有る。産業もジオポリマーセメントに代表される様な、エネルギー大量消費に頼らなない方法でセメントや鉄が作り得る事が実証されている。交通も電気自動車やハイブリッドカーに代表される交通手段と都市の車によらない交通手段によってファクター5の達成が可能である。また再生可能エネルギーもリスクの大きい原子力に頼らなくても良い風力、太陽光、地熱等が実証されている。
15年前にファクター4が出された時に「もう我々には時間が無い」と訴えていたのに拘わらず、その後に著しい変化は無かったかに見える。しかし、世界は着実に変革に歩み始めているようである。歩みの速度を速め、間に合わなくならないうちに持続可能社会を作らなければならない。
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