都市近郊農業を都市排水で灌漑する
2005年の国連食糧農業機関(FAO)の報告によると7億人が都市及び都市近郊の農家から農作物の供給を受けている。
そして都市の1000世帯が出す排水の合計はちょうど1戸の農家が必要とする灌漑用水の量に匹敵する。現在殆どの都市排水は利用される事無く河川に放流されている。
FAOの推定によると、既に50カ国の2千万ヘクタールの農地が直接あるいは間接的に都市排水で灌漑されている。これは世界の耕作地域の10%に上る。表はアジアの国々の都市排水の量を示しており単位は100万立方メートルである。これらは工業用水としての再利用か地下水へ戻すことが考えられる。
都市にとって都市排水と雨水が周辺の農地の灌漑用水として使われることは、農作物の安定供給にも寄与し大変望ましい。都市近郊農業の発展は輸送距離の短縮や冷蔵保存の為のエネルギーの節約になる。
イスラエルでは都市排水を一次処理して農業灌漑用水として使っている。ヨルダンもこれと同じ考えである。
米国カリフォルニアでは25億立方メートルの都市排水を処理して中水道としてゴルフ場の散布用とトイレの洗浄様に使用している。次の段階としては2次処理後の水を飼料用作物の灌漑に、3次処理後の水は野菜・果物ように使うことである。
これらを達成する事でこの分野では容易にファクター5が実行できる事が分かる。
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