2012/7/20 GreenBiz.com Guy Morganの記事から
中国、インド、ブラジルは「持続可能な開発」を再定義しようとしている。
過去20年間にはこれらの新興国にとって「持続可能な開発」は西欧諸国から持ち込まれた、いわば、お客さんがそうしろと言うから行う受動的なものであった。しかし、ここ数年の経済状況の変化はそのバランスを変えた。そして天津で開かれた世界経済会議や、先だって開かれたリオ+20等でホスト国を務め国際的な発言力も強くなってきている。
これらの新興国は現在、経済のファンダメンタル、環境問題、格差などの社会問題に直面しており、この問題解決にCSR(企業の社会的責任、Corporate Social Responsibility)を経済活動の柱にしようと動き始めた。その為には、持続可能な開発が重要課題となり、国内企業が能動的に取り組むように変わってきた。
中国では、これまでの公害防止、人道的労働環境、製造責任と言った取り組みから、グリーン経済への移行をこれからのビジネスチャンスと捉えるような変化が起きている。また中国の国営企業には、温情主義で果たしてきた地域の社会基盤的な一面がありこれは中国的CSRとして残す動きもある。
インドでは歴史的に企業のCSRは社会的課題である不平等、貧困にどう対応するかであった。教育機会の不平等や医療保険制度の不備から生じている社会的ギャップを埋める存在としての企業への期待がインド社会には存在する。
ブラジルでは中国、インドよりも社会的側面はバランスが良いと言える。世界はブラジルに対しアマゾンの自然保護を最重要な持続可能な開発への鍵として要求し続けてきた。世界中からの資本がアマゾンの自然保護に注がれている。しかし、ブラジル政府のお役所仕事ぶりは有名で、西欧諸国の企業では「ブラジル割増」を原価計算に加える。この国が直面している問題は「人材不足」の一言に尽きる。企業は人材を作ることが最重要のCSRと考えている。
このように、中国では企業は人々の調和の中心となるものであり、インドでは橋を架け、病院を作るものであり、ブラジルでは学校の代わりをしている。
しかし、いずれの国も持続可能な開発しか自らの国の発展は無いと理解しており、グリーン経済への移行へと舵を切った。
わが、日本は失われた20年からいまだに立ちあがることができずにいるが、経済再生をグリーン経済指向で進めると言う話は聞かない。もし今でも日本が環境大国だ等と思っているとしたら、間もなく新興国に水をあけられる。
原文:
http://www.greenbiz.com/blog/2012/07/20/how-brazil-china-india-redefining-sustainability
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