GreenBiz.com 2012-08-17 Bruce Kennedyの記事より
大量の水を消費するビール
暑い夏の飲み物と言えばビールと決まっているようだが、1ℓのビールを作るのに60〜180ℓの水が使われていることは余り知られていない。
アメリカのビール会社SABMillerと、世界自然保護基金(WWF)と、ドイツ国際協力公社(GIZ)が共同で行った、ビール製で消費される水の調査によると、大麦の生育で使われる灌漑用水、醸造工程、ビン詰めからパッケージング、その他すべてのサプライチェーンを含めたは1ℓのビールのウォーターフットプリントは60〜180ℓであるとする。
ビール業界は大量の水の消費を行っていることは知られているが、近年ビール工場での水からビールへの比率を5:1にする事を目標に掲げて節水を行っている。これは2050年には90億の人口の1/3には水が渡らなくなると言う危機に直面していることに対応することと、ビールの消費が年々増え続けている事がその理由である。
巨大ビールメーカーMillerCoors社は持続可能なビール作りを目標にしている。
― 8の工場で水からビールへの比率を4:1以下にした。
― ミルウォ―キ―工場では、冷却工程で使用する水をリサイクルする事で年間40万トンの節水を行った。
― 契約農家での大麦の単位面積当たりの収量を増加させる事で灌漑用水を年間50万トン節水した。
ハイネケン社はグリーンゲージと呼ばれる水管理ソフトを世界70ヶ国140の工場に導入して全社的に節水に取り組んでいる。
バドワイザーで有名なアンハウザー・ブッシュ社は全米12の工場で過去4年間で37%の節水を達成している。
小規模な地ビール会社は更に効率的である。オレゴン州のFull Sailビールでは水からビール比率3.25を達成して、全米トップを誇る。この会社では高効率ボイラーの採用、冷媒にグリコ―スを使うことで節水をおこなっている。
マイクロブルワリーから巨大ビール工場まで全米211のビール会社の3/4がなんらかの節水を実施している。
ちなみに日本の代表的なビール会社の水からビール比率は2006年7.8であったが、2011年には5.9を達成している。
原文:
http://www.greenbiz.com/blog/2012/08/17/beer-industry-cuts-water-consumption
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