資源消費の増加が生活を豊かにしてきたと言う嘘
当ブログの元になっている「ファクター5」の著者であるフォン・ヴァイツゼッカー教授が共同議長を務めている国連環境計画の国際資源パネル(IRP, International Resource Panel)は世界各国における資源の持続可能性を追求しつつ、経済発展と生活の向上を続ける事を研究・開発する専門家集団であるが、このIRPが現在進めているのが「デカップリング」Decoupling(分離すると言う意味)である。
これは資源を何倍にも活用する事は資源使用量の減少となるが、それは経済発展を全く損なうものではなく、資源使用量と経済発展はそれぞれ別に考えるべきであるとするものである。
従来、環境問題→省資源→GDPの低下→生活の快適性の低下と考えられがちであったものを是正するのがその目的である。
20世紀中に、建築資材は34倍、鉄鉱石の採掘は27倍、化石燃料は12倍、バイオマスは3.6倍の使用量になった。これは全てそれだけの環境負荷を伴った。産業革命以来、資源消費が増える事が人間の生活を豊かにしてきたと信じさせられてきたが、本当はそうではなく、生活の豊かさはこれからも向上して行くべきで、それにいささかのブレーキを掛ける事無く、資源使用量を減らして行くのがデカップリングと言う考え方である。
|