ベアフット・カレッジは最貧国に希望の光を与えている。
最貧国の最貧の女性のみを対象にしてソラ―照明装置の技術者に育てているインドの「ベアフット・カレッジ」については2012年1月12日と13日に書いた。これは最貧国の最貧の村の最貧の家庭からおばあちゃんを募集してインドで6カ月のトレーニングを受けてソラ―照明装置を部品から自分で作ることを覚え、自分の村に帰って村で最初の電力会社を作ると言うプロジェクトだ。
おばあちゃん達は殆どの人が学校になど一度も通った事が無く文盲である。ベアフットは色と絵と数字だけで、太陽電池パネル、充電器、バッテリー、インバーター、蛍光灯かLEDランプを組み合わせて太陽光照明装置を作る。インバーターの複雑なICチップや部品を基板にはんだ付けするところまで覚える。そうすることで、村に戻って機器が壊れても部品さえあれば修理ができるからである。これまでに先進国や国連の支援で同じようなシステムが電気の無い村に寄贈されても一度壊れると修理ができなかったからである。
おばあちゃん達は自分の孫達が夜間学校で学べるようにと一生懸命に覚える。最貧の子供達は昼間は労働をしており勉強のチャンスは夜しか無い、しかし照明は石油ランプだけであった。電気照明が付いた夜間学校で勉強させたいと言うおばあちゃん達の熱意がこの事業を成功させている。
ベアフットはその他、雨水を溜めて飲料水を作る。ある村の夜間学校の屋根から集まった年間340トンの水で19もの村の4100人に安全な飲料水を提供した。村人の健康管理をおこなう保健婦さんのトレーニングも行う。生理ナプキンの製造法を教えるコースもある。幼児教育の為の保育士としてのトレーニングもある。幼児は労働力にならないので時間が有る、この子たちに学ぶ楽しみを教える事で夜間学校に通う子供を増やしたいからである。さらに太陽熱温水器、太陽光調理器、井戸水のくみ上げポンプ、織物、工芸品などのコースもある。
実在のソラ―ばあちゃんのプロファイルを紹介する。
ヌーラヤミ・エネ・ルヤさん1971年生まれ。文盲。子供6人。孫9人。居住村:ナラシャ(ケニア)。土地:7エーカー。家:泥とトタン。家畜:30頭。家の職業:農業。飲料水:1km先の川から。近くの都市:400km。
ミラ・デビさん、1972年生まれ。文盲。子供3人。孫4人。インド。家畜:7頭。家の職業:農業。土地:3ヘクタール。家:泥製1間。年収:24,000ルピー(34,000円)。近隣の都市まで50km。
なぜ、おばあちゃんでなければならないのか、男に教育を施すと金儲け主義のビジネスにして、成功すると村を出て行くからである。
ベアフット・カレッジのホームページ:
http://www.barefootcollege.org/
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