省エネ効果だけではないグリーンビル
2008年のリーマンショック後の不況の時代に明かりを見出そうと建設業界は“グリーン”に目をつけ、伝統のある保守的な建設業界がこぞってグリーンビル化やグリーンビル建設に力を入れ始めた。
マサチューセッツ大、オランダ、カリフォルニア大バークレイ校の研究者はLEEDやそれに類する認証制度の経済効果についての調査を行っている。
因みにLEEDとは、Leadership in Energy & Environmental Design の略で、非営利団体の米国グリーンビルディング協会（USGBC）が開発・運用している、環境に配慮した建物に与えられる認証システムである。アメリカを始め世界数十カ国が取り入れ、世界的な基準になりつつあるこのLEED、アメリカ国内での成長も、ここ10年で目覚しい発展を遂げ、 2015年までには米国内でのグリーンビル市場は、1735億ドルまで増加すると予測されている。
この調査は約1万のビルを対象に行われた。そのうち893がLEEDやEnergy Starの認証をうけており、それらと7488の何も認証をうけていないビルの比較を行っている。前者の賃貸料は単位面積当たり3%高く、販売価格は16%高い。
調査結果は省エネによる電気代等の節約以上に、仕事の効率アップを強調している。仕事の質の向上、社員の病欠率の低下、社員の定着率の向上による人事管理コストの低減など「ものに置き換える事の効果」が報告されている。これは一人当たりの物理的空間の改善、視覚的空間の改善、快適温度を提供し、同時に省エネ・節電の効果をもたらしている。
アメリカのLEEDを獲得した33のビルでは平均して1平米当り44ドルをグリーン化に投資しているが、20年以内にこの投資分を取り戻している。社員の定着率の向上は売り上げの増加につながり、LEEDを取得したビルに入っている企業との差がLEEDゴールドの場合544ドル／�屐�同じくプラチナの場合は744ドル／�崘笋蠑紊欧�高いと報告されている。
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建築(5)
