1のエネルギーを使うと2のエネルギーが無駄になっている。
これを読むと、不思議に思う人が多いと思う。
国連開発計画(UNDP)の2005年の世界エネルギー・アセスメントによると、まずエネルギーを消費者が使える状態に加工する段階で26%が消え、消費者が目的を達する為にエネルギーを使う機器の中で37%が消えている。消えたエネルギーは全て低温〜中温の熱となって大気を暖めている。
2005年に地球全体で115億トンの原油換算のエネルギーが消費されたが、そのうち63%は消費者の役に立つことなく熱となって消えている。
この無駄となったエネルギーを回収して再び使う事ができれば地球の温暖化を遅らせるだけでなくGHG(地球温暖化ガス)の排出低減もできる。
捨てられている熱は、例えばセメント工場のキルン(回転焼結窯)、製鉄所の高炉や平炉にはじまり、パン屋のパン窯、レストランのオーブン、スーパーマーケットから出る熱、さらには各家庭の冷蔵庫の排熱や台所のコンロの熱まで数限りない。
電気は蒸気タービン、ガスタービン、ディーゼルエンジンなどで発電機を回して発電するが、発電プラントの効率は25%〜45%である。つまり75%〜55%は熱となって消えてしまう。
発電された電気は長い距離を送電線を伝わって送られてくるがその間に9%が熱になり消えている。
このように、1のエネルギーを使うと2のエネルギーが無駄になっていると言うのは決して大げさではない。
|