中世のパン屋は環境負荷はゼロだった
昨夜遅くブログの為にパンの写真をネット上で探していたら、パンが大好きなぼくは余りにも美味しそうなパンの写真に刺激されたのか美味しいパンを食べている夢を見た。
パン焼きは中世の欧州においては村々に大きな石の窯が一か所有ってそこに石窯番人が居て決まった日の夜中から窯に薪をくべて熱する早朝の3~4時には丁度良い温度になると番人が火を取り出し窯の中を綺麗にして村人が来るのを待つ。村人はそれぞれパン生地を持ち寄って石窯に入れて焼きあがるのを待って持ちかえる。その一部をパン窯番人は駄賃として受け取り糧としていた。これがパン屋の始まりだと聞いたことが有る。
その頃の環境負荷を考えると、燃料は木材つまり再生可能エネルギーで環境負荷はゼロであった。村に一か所の窯であったのでその使用効率も大変高かった。まさに持続可能社会であった。
ファクター5に戻る。昨日書いたパン工場の省エネ化は環境負荷を下げるのみではなく労働環境も改善すると言う複合効果に目を付け、いくつかの国ではパン焼き工場の省エネをモデルケースとして取り上げる所が出て来た。
例えば1993~2003年にオーストラリア政府が行った「省エネ模範プログラム」がある。これに省エネの専門家とオーストラリアの製パン企業「ベーカー・出ライト社」が共同プロジェクト「パン屋のショーウインドー」を立ち上げた。
この研究の結果、オーブンの断熱設計、工場レイアウトと断熱設計、照明方法とデザイン、ガラスによる断熱技術などの改善により40%の省エネ=48%のGHG(地球温暖化ガス)排出量削減を達成した。但し時間の制約によりこの研究は電気オーブンにしか反映されていないが、ガスオーブンにも適用する事で同様の効果が得られるとしている。
なお、この研究は既に高度に省エネ化されていたとされる大規模製パン工場での研究であり、省エネが遅れている中小のパン屋さんに同様の改善をじっしすれば70~80%の省エネが期待される。
この結果は世界の製パン業界の環境負荷に対する意識の変化を促す事になり、カナダのストーンミル社やオーストラリアのファーガソン社は環境に負荷を与えない企業になるとの宣言をしている。
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