コージェネはどうして効率的か
また、暑い夏がやってくる。昨年は計画停電さわぎで大変であったが、今年はどうだろう。電力会社の発電所以外にコージェネからの電力が相当あると言う報道があったが、コージェネは何故効率が良いのだろうか。
火力発電所のエネルギー効率は悪く投入した燃料の熱量の35%しか電気として最終ユーザーに届かない。家庭で1000Wのエアコンを使うと遠く離れた火力発電所では2849W分の石油、石炭、天然ガス、バイオマス等を燃やして発電する事になる。発電所の変換効率は39%で1111Wの電気を発電する。1738W分のエネルギーは排熱として海水を暖め、煙突から逃がして大気を暖めている。その後、変電所や配電網を通るうちに更に約10%の111Wが失われる。
一方、大工場では必ず熱源が必要でその為に蒸気ボイラーで熱水を作って必要な部署に送っている。最近のハイテクボイラーは高効率で90%の熱効率がある。
コージェネレーションはこの工業用ボイラーでまずタービンを回して発電をする。発電した電力は長距離送電のロスもなく、電力会社の管理費も掛らない為に大変安くなる。タービンを回し発電を終えた蒸気はまだ十分熱く工業用の熱源としては申し分が無いのでそのまま使える。つまり、工場内で熱源と発電を兼ねて行う事で効率が50%以上良くなると言うものである。
図では右側のコージェネに100の燃料を投入して得られる50の熱源と39の電力を得る為には電力会社は130の燃料を投入し、工場用ボイラーには59の燃料が投入されなければならずその合計は189となることを表している。
電力会社の料金体系は大口需要家には、コージェネの安さに対抗する為に安い料金を設定し、そのぶん家庭の電力料金を高いものにしてバランスを取るようにしている。
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