奇跡の惑星「地球」を救う世界規模の政策
ファクター・ファイブは例え不況の中にあろうと世界はいずれにせよグリーン経済に変わって行くべきであると訴えている。
ファクター・ファイブはUNEP(国連環境計画)のグローバル・グリーン・ニューディールを支持する。これは名前の通り、1930年代のウォール街から始まった世界大恐慌の解決策としてアメリカ大統領のフランクリン・D・ルーズベルトが行ったニューディール政策に由来している。
この考え方は公的資金をグリーン・ニューディールに投入して持続可能社会に必要な製品やサービスを作り出し新たな雇用を生み出そうとするものである。
グローバル・グリーン・ニューディールは世界経済がその為に十分な推進力を与えるように調整(コーディネイト)するものである。しかし、この呼びかけに対する世界の反応は、例外の韓国を除いては臆病なものであった。世界はまだグリーン化の技術革新を疑心暗鬼で見ている。その一方で、世界はいつかはこの不況が乗り切れるものとの希望は持っている。
グリーン化を進める為の需要は、開発途上国には無限に有ることは言うまでもないが、先進国にも、教育、健康、介護、娯楽など需要は有り、労働、資本、技術はそれに応える事ができる。
2009年4月にロンドンで開催されたG20では、マネーの暴走を防ぐ世界的な仕掛けについて議論が交わされた事は、市場主義と弱い国家の時代の終焉を予想させるものであった。と、ここまではファクター・ファイブが出版された2010年現在の状況であったが、その後マネーの反撃は執拗に繰り返され現在もEUが苦境に立たされている。それでもグリーン経済への移行は進んでいるようである。
日本では2009年1月6日、斉藤鉄夫環境大臣が、環境対策を通じて景気回復・雇用創出と地球温暖化など環境問題の解決を同時に実現するとして、「緑の経済と社会の変革」(日本版グリーン・ニューディール)を策定する方針を明らかにしたが、その後の政権交代後の推移は明らかではない。
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