原子力安全保安院のハイテク技「断層きざみ」
一昨日(4月24日)以来メディアは一斉に敦賀原発の地下に新たな活断層と報道している。経済産業省原子力安全保安院が調査した結果だと言う。
原発周辺の活断層については、スマトラ沖地震から心配する世論を受ける形で2003年に全国九電力が再調査を行っている。その結果は2007年12月になってやっと発表された。公表された調査結果ではいずれの原発付近でも活断層の数が建設当時よりも著しく増加していることが分かった。<中日新聞2008年1月18日> しかし、そのいずれもが原発稼働に影響する程大きなものではないとの発表であった。原子力安全保安院もお墨付きを与えた。
どうやらここにトリックが有ったようだ。経産省原子力安全保安院はここで、「断層きざみ」と呼ばれるハイテクを講じたきらいがある。これは、例えば長さ35kmの断層が有るとするとそれを3分割して12kmの断層が3本あるとするものである。そして地震の規模は断層1個ずつから算出するので1/3になると言うトリックである。
311の東日本大震災では幾つもの断層が連動したした事が周知となり、「断層きざみ」がばれそうになったので原子力安全保安院はわざわざ敦賀まで出かけてマスコミの前で地面をスコップで削って見せて「裏底―柳ヶ瀬山断層は一本で全長35kmでございました。」と発表したものであるようだ。
2008年に九電力が発表した直後に数多くの地質学者や地震学者が反論の声を上げているが、メディアはそれらを取り上げる事はなく、地元自治体は耳を覆った。この頃は原発立国を目指す日本にとって都合の悪い情報であったからである。
敦賀を廃炉にすると発表して次に夏の電源不足をPRして大飯原発の稼働の世論を作ろうとでも考えているのだろうか、経産省の思惑に乗ってはならない。メディアの発表には眉に何度もつばを付けて熟慮する事が必要である。
世界で最も地震が多発するこの日本列島に原発の設置はナンセンス以外の何でもない。資源を五倍に使えば、原発はおろか、地球温暖化ガスを多量に排出する火力発電所も半減することも夢では無くなる。ファクター5ではその方法を述べている。
次のURLで世界の地震源を詳細に見る事ができる。
http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/world/seismicity_maps/index.php |