いまだに拡大を企業目標に掲げるエネルギー業界の愚かさ
大規模な電力と熱源を必要とする重工業においてコージェネは理想的で最も簡単に実現できる解決策である。重工業では電力も熱源もほぼコンスタントに使用する為に、ボイラーを停止したり運転したりして効率が悪くなる事も無く高効率で運転ができる。当然、鉄鋼、アルミニウム、セメント、製紙、印刷、化学、食品製造、石油精製などの重工業は全てコージェネになるべきであるが、現実は世界で8%しかコージェネ化されていない。
デンマークはコージェネ先進国で2003年に52%をコージェネ化した。アメリカはコージェネ発電量は85GWでトップであるがわずか10%にも満たない。ドイツは2005年に13%になったが、政府は57%を目指している。
重工業分野で最も簡便に実行可能な省エネであるのにかかわらず増加率が低いのは、電力会社が大口需要家が離れるのを恐れ大口需要家向けの電力料金を値下げしてコージェネへ逃げるのを引きとめているのが一要因と考えられる。電力会社はその為に一般家庭向けの電力料金を吊り上げて収支のバランスを取っている。
電力会社は電力をより多く売る事から脱皮し、徐々に供給電力を少なくして行く事を企業の目標と転換することが、グリーン経済への移行に適合することに気づくべきである。エネルギー業界は縮小をその企業目標に掲げる時が来ていると気づくべきだ。
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