20年以上使った電気温水器は効率が悪い
家庭やオフィスで使用する温水に消費されるエネルギーの割合は、地域により異なる。EU(2004)では9%、アメリカ(2005)では11%、中国(2000)では27%となっている。
家庭やオフィスでの温水使用量は使用者の節水の心がけで大きく変わるが、設備の断熱の改善も効果がある。IPCCによると太陽光温水パネル、熱交換式温水器(日本ではエコキュートとして普及)、廃温水からの熱回収、これら全てを実施すると90%の改善が可能であるとしている。
費用が掛らない温水の節約方法には、節水カラン、節水シャワーヘッドの使用、節水洗濯機の使用がある。旧式(20年以上前の型)の電気温水器は電力消費が多いのでできるだけ早く新型に交換する事が勧められる。又、家族構成に応じた適正な容量を選ぶ事も有効なポイントである。
具体的な対策としては:
■電気温水器と温水配管の断熱の改善で最大30%の省エネが可能である。最新型の電気温水器の断熱は改善されている。
■生活パターンに応じた電気温水器のON/OFF。長期出張や休暇の際にこまめに電気温水器を切る。プログラマブル・タイマーの使用も有効である。
■適正な温度設定。たいていの場合60〜75℃の設定となっているが、通常の家庭やオフィスの場合50℃程度で十分である。ただし地域によっては水に含まれる微生物の為に温水の温度を高く設定する必要がある場所も有るので、地元の情報を確認する必要がある。
■適正な温水器の容量の選択。OECD諸国では核家族化が進み、単独世帯が20〜30%、2人世帯が10〜20%となり家族構成数が少なくなっているにも拘わらず、設置されている温水器は200リッター前後である。単独世帯でシャワーだけの使用の場合30リッターで用が足りる。
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