資源効率アップと消費拡大は産業革命の双子の兄弟
産業革命は英国から起こりありとあらゆる産業分野にわたり、またたく間に世界中へと広まった。70億人分の食料を生産する農業も例外ではない。70億と言う数字はマルサスにもジェボンズにも想像を絶する数字であろう。
石炭の埋蔵量はいまだにピークはむかえていない。そして、我々はやはり人類がいくら資源の効率を上げても、効率が上がることで消費がさらに進みいずれは成長の限界に突き当たると言うジェボンズのパラドックスを認めざるを得ない。もっとも資源の枯渇よりも先に地球温暖化による限界の方が先におとずれる事になるであろう。
ブーメラン効果というのは人類が工業化をはじめたときから副産物のようについて回るものであったのかもしれない。ジェボンズのパラドックスは、人類の長い歴史の中で産業革命以降の現象を事後評価しただけであったと言う事ができるかも知れない。
人類は自然を利用することを知り、資源をより効率よく使う事で人口の増加に対応してきた。人類は狩猟と採集をすることでそれ以前の状態から進化した。しかし、狩猟と採集だけでは地球上に数百万人がやっとである。その後、農耕と牧畜を学習した事で同一面積から10倍もの収穫を得ることができるようになった。
しかし、人類は生産効率の上昇よりも速い速度でその収穫物を消費する方法を見つけ出した。そうして人口は数百倍となり肥沃な土地を対象に部族間での戦争が起きるようになった。人類は定住するようになり、文化が芽生え、分業による職業が生まれた。村、町、都市、国家が形成され、指導者階級も形成された。エリートの存在はそうでない人々にとって羨望の的であった。この社会格差が上昇志向を原動力とする学習意欲や勤労意欲を盛んにして、結果として産業の発展をけん引することになった。
トマス・ロバート・マルサス(Thomas Robert Malthus、1766年2月14日[1] - 1834年12月23日)は、イギリスサリー州ウットン出身の経済学者。古典派経済学を代表する経済学者で、過少消費説、有効需要説を唱えた人物として知られる。
ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ(William Stanley Jevons,1835年9月1日 - 1882年8月13日)は、イギリスの経済学者・論理学者。著書『経済学理論』
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