中国は単位面積当たりの収穫量は多いが、水の消費量も多い
世界の淡水の70%は農業により消費されている。農業用水の需要は作物により大きな差がある。穀物1kgの収穫にはその種類により0.4〜5.0トンの水を消費し、畜産では1kgの牛肉を得るには32トンの水を消費している。その他、土地の含水性や用水路の途中の漏水などによる損失によっても大きな差がでる。
次に各作物の1kgの収穫に必要な水の量をトンで示す。
穀物:トウモロコシ 0.5〜2.1、小麦 0.8〜1.5、米 1.6〜3.5、ジャガイモ 0.9〜1.0、大豆 1.7〜3.5、大麦 1.3
畜産:牛乳 1.3、豚肉 2.0〜4.6、牛肉 16.7〜32.2、羊肉 7.0
その他:コーヒー 17.0、お茶 24.5、綿花 5.3〜17.0、たばこ 0.4〜0.6などとなっている。
同一作物でも水の消費量の大きな差は非効率的な用水の方法と管理にある。各国はまだまだ水資源利用の効率化を進める余裕が有り、効率化を進めなければならない。
中国は総面積に対する耕地面積が9%とアメリカの13%に較べると少ないが、1ヘクタールの農地で10人を養っている。世界平均は4.4人である。それでも中国は食糧自給率は95%以上を維持している。
中国農業は多毛作、大量の肥料投与、多大な人手による細かい作物管理により高い収穫率を達成している。農耕地の40%は人工的に灌漑が行われており、これは世界平均の18%、米国の13%に較べかなり高い。ただし、中国では農業用水は設計の粗雑な用水路と長い用水路での漏水により30%しか作物の根には達していない。この分野は中国政府が今後改善を進めて行くことであろう。
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