インドネシアの地熱発電
オーストラリアの地熱発電については9月6日に書いたが、10月26日付けのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)にインドネシアの地熱発電について載っていた。インドネシアではいまだに電力不足の問題を抱えており都市部でも停電することが有ると言う。インドネシアではスハルト政権時代に地熱発電を最重要エネルギー源と定め開発を進める事に決定されたが、遅々として進んでいない。専門家によればインドネシアの地熱発電のポテンシャルは2万8千メガワットを年間を通じて発電でき、これは現在のインドネシアの総電気使用量を賄っても余りある十分な量である。現在は純石油輸入国となったインドネシアにとっては最重要課題である。政府は現在の1200MWから2025年までに12,000MWにしたいとしている。約8000億円の投資金額となる。
WSJによると開発が進まない理由はお金ではない市場は有望市場として投資を望んでいるが、問題は地域住民との摩擦である。数年前に起きたバリ島での爆破テロのグループは地熱発電の阻止も主張していた。地熱発電の為のボーリングがすぐ近くの地元住民の信仰の対象となっている湖の水を涸れさせると言うのがその事情である。この事件以来地元の知事は開発にゴーサインを出していない。国家のエネルギー政策も市場の圧力も及ばない問題のようである。添付の表で気づくのはこの分野でもアメリカはちゃっかり進めているなと言う感じを持つ。それに比べ十分なポテンシャルを持つ日本は地震に怯えるだけでなく地熱発電にももっと力を入れるべきである。
|