石油に代わるバイオ化学原料
農作物や農作物残渣は化石燃料に代わる次世代燃料として注目を集めている。あらゆる種類の植物がエネルギー源として提案されており、穀物、農作物残渣、繊維を多く含む植物(スイッチグラスやサトウキビ)それにいろいろな種類の樹木が直接燃焼されたり、液化されエタノールやディーゼル燃料として使用されている。
現在主にブラジルで生産されるエタノールの60%はサトウキビと穀物を原料にしている。
第一世代のバイオ燃料は省エネの観点から見ても決して効率が良くないばかりでなく、食糧の価格を吊り上げると言う反社会的な側面を持っている。又、不適切な管理方式の下ではバイオ燃料を作るために同量の化石燃料を消費する結果になっている場合もある。次世代バイオ燃料は食糧供給には影響を与える事が無い材料を選び、適切なプロセスで効率よくエネルギーを取り出そうとするものである。
基本的には食糧とならない植物や作物残渣をエネルギーに転換することになる。建築材料等の資源とはならない樹木、間伐材、雑草、コケ類、藻類も一度含水炭素や繊維エタノール等に加工したのちエネルギー源に変換する。
エタノール、バイオディーゼル、ブタン、メタン、メチルテトラヒドフラン(MTHF)等がファクター10を目標に開発中である。
バイオ燃料のみならずバイオ化学工業に応用され、現在は石油化学として生産されている幅広い製品を全てバイオ原料から生産する事が可能で、この分野のGHG(地球温暖化ガス)排出量を90%低減する事ができる。
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