世界から50人余りの環境の研究者達が集まって会議
一昨日(2月27日)から名古屋大学で開かれている「地球学からの基礎・臨床環境学への展開」と言う国際会議を取材させてもらっている。この会議のアドバイザーの一人としてファクター5の著者のフォン・ヴァイツゼッカー教授が来ているからだ。世界から50人余りの環境の研究者達が集まって喧々諤々の真剣な討議が続いている。
環境の問題は余りにも大きく専門分野別に議論するのは目の見えない人が象を手で触って象とはこういうものだと言っているようなもので、環境問題の一面は正しく捉えていたとしてもそれが問題の全体を明らかにする事にはならない。瀕死の状態にある環境(地球)を丁度重病患者を医師団が診断するようにそれぞれの専門分野ごとに診断した結果を持ち寄って最高の治療法をみつけるような学問が基礎・臨床環境学であると思う。
今日のディスカッションでドイツの研究者が地域計画について発表していたがその中で異なる行政機関や異なるレベル(県、市、町、村)の議会を問題解決を必要としている地域として統合して取り組む事が大切であると訴えていた。それに対し日本では行政の縦割りの弊害が大きく、今緊急テーマとなっている東北復興でさえ統合はむずかしいと言う話が出ていた。環境問題は行政区分や所轄省庁別と言った区分けは無い。日本の研究者が言っていたが災害も環境問題も問題の本質は同じで、その時間軸が違うだけだと言うのは、その通りだと思った。急激に環境が変化する事を我々は災害と呼んでいるだけである。
環境(地球)が無ければぼくたちは生きて行けないが、ぼくたちが居なくても地球は生きて行けると言う事を忘れてはならないと思った。それに、世界から集まった研究者が真剣に環境の事を話し合っているのを目の当たりにして、人間の英知で解決できるのだとの確信を強くした。
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