建物の省エネはまずデザインと構造から
世界のGHG(地球温暖化ガス)排出の40%は建築物からである。
HVAC(Heat Ventilation and Air Conditioning暖冷房と換気)装置が消費する電力はアメリカでは30%、欧州では56%、中国では61%となっている。
HVACが消費する電力は建築物の設計時に太陽光の入射角度と方角、建築物の大気との接触面積の最小化が図られたデザイン、室内の空気の流れを考慮した設計、外断熱工法等、いわゆるパッシブハウスの設計をする事でファクター5、80%の省エネが可能である。
窓ガラスに赤外線のみを反射するフィルムを貼る事で70%の太陽光熱をカットできる。(2011年8月16日参照)
暑い地域では屋根を白くペイントする事で10℃の温度差が確認されている。
昼間は気温が高くても夜間には大気の温度が下がる地域では、夜間に大気を取り入れて建築物全体を冷やすことで翌日の日中に備える事ができ、日中の冷房の運転時間を短縮できる。
第一には省エネする事を考え、どうしても足りない分を暖冷房に頼ると言う考え方が重要である。建築物の構造には手を下さずに、太陽光パネルやヒートポンプで再生可能エネルギーを作り出す事を先に考えるのは本末転倒である。
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