20倍になった労働生産性
ILO(世界労働機構)が1月23日に発表した「世界の雇用情報2012版」によると、現在の世界の失業者数は2億人で、今後10年間に毎年4000万人の労働力が増加し続けるので6億人分の職場の確保が必要となるとしている。なお、同情報によると1日2ドル以下の貧困層は推計で9億人で、世界で11億人には仕事が無い。なお、失業者とは仕事をしていた人が職を失った場合に失業者となり、始めから仕事が無い人は数えられていない。
技術の発展と労働生産性の向上は歴史的に見て同時に進んできた。産業革命以降、未だに続いている部分もあるが、労働生産性は20倍になっている。その変化を見ると、19世紀には年率1%そこそこの労働生産性の改善しか見られなかった。米国の労働生産性は20世紀に入っても年率1.5%程度の改善であったが、1950年〜1973年の間年率3〜7%改善している。図は1950年〜2005年までの間のアメリカ、ドイツ、英国、日本の労働生産性の変化である。全体的に見るとほぼ比例級数的に改善している。ドイツと日本は1950年〜1960年に掛けて大幅な生産性の向上を達成している。日本はこの時期コピー製品を作って第二次世界大戦で疲弊した経済を支えた。また、自由貿易は更に労働生産性の向上に拍車をかけた。
これからは労働生産性よりも資源生産性を高める事で新たな職場を作り出す施策が緊急課題である。
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