自動車に見る省エネの対策の歴史
今年も後2日となった。皆様はもう正月への準備は万端整えられたと思う。お正月はダイエットをしているぼくには最も気をつけなければならない時である。ダイエットにはリバウンドが付きものであるが、省エネの世界も同じである。
最も有名なリバウンドは1975年米国議会で制定されたCAFE(燃料消費基準)である。この基準はそれまで7.6km/ℓであった乗用車の燃費を11.4km/ℓを目標に改善すると言うものであったが、結果的にはこの目標達成には20年もの歳月を要した。
1986年にガソリン価格が下がり自動車の使用率が1990年代まで伸び続けた結果CAFEの基準からは遠く離れてしまった。
その典型的な例がSUV(Sports Utility Vehicle)である。自動車業界はCAFEが乗用車を対象としていた事に目を付け、高級乗用車の快適さを備えた4輪駆動トラック、SUVと言う新しいカテゴリーを創出した。
当時のロナルド・レーガン政権(1981〜1989)は当時世界のすう勢であったガソリン税を認めないばかりか、SUVに対して税の優遇まで行った。この為、簡単に誰にでも借りられるサブプライムローンによって大量に販売された郊外の建売住宅に住みSUVを何10キロも走らせて仕事に通うライフスタイルがブームを呼び、アメリカ経済は最高潮となる。これに伴いアメリカのガソリン使用量とCO2排出も最高となる。
この後2000年に入ってガソリン価格が高騰し、郊外からの遠距離通勤は魅力が失せ、郊外の新興住宅地の価格が下がりサブプライムローンが破綻し、それを金融商品としていた市場が下落してリーマンブラザーズの倒産とつながった。
現在のオバマ政権は2016年までに14.4km/ℓ、2025年までに23km/ℓの燃費を達成すると目標を発表している。燃費の優れた車には連邦環境保護局が発行するEPAステッカーが車に貼られる。
来年の大統領選挙でオバマが敗退するとこれも変わる事になるかも知れないが、私たちの奇跡の星は1日の余裕も持っていない。
写真のようなトラックがアメリカでは今でも最も人気が有る。
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