何故か日本では普及していない工法
GHG(地球温暖化ガス)総排出量の40%は建築がその原因とされるが、建築物で最も大きなものは冷暖房エネルギーでそれに一番効果が大きいのが窓で次が外断熱であるとされる。
外断熱と言う言葉を最近良く聞くようになったが、一体外断熱は何だろうと思って調べて見た。一言に言えば建物の外側で断熱を行う事です。それに対し内断熱と言うのは壁、天井、床の内側で断熱を行う構造で、現在の日本の工法ではこれが一般的です。
外断熱の特徴としては
●室内に結露が発生せず、カビ・ダニの被害が抑えられる(アレルギー予防)。
●外気温変動による躯体の膨張収縮が少なく、耐久性が高い(低環境負荷・高資産価値)。
●高い熱容量を持つ躯体(特にコンクリート建造物では顕著)が断熱材の内側に置かれるため、室温の変動が抑えられ冷暖房の効率が良い。(省エネルギー効果)
●建物内部(部屋間)の温度差が少なく、ヒートショック現象が起こりにくい。
断熱効果の良さは省エネ効果が70%以上あるとファクターファイブでも述べられている。
良い特徴が多く、欧州では30年前から広く取り入れられ今は殆ど標準になっているが、日本では何故か広まっていません。その理由としては■施工費が高い。■外側が重くなる。■サイディングのチョイスが狭まる。などが挙げられているが、いずれも広く使われるようになれば自然と解消される問題だと思う。
外断熱にすると密閉性が上がるので、建物内の空気の流通設計、計画的換気、外気と触れる面を出来るだけ単純な形にデザインする必要性、等従来の建築では考慮する必要が無かったことに配慮した設計を行う必要が有る。
現状を変えられると困るメーカーや施工業者の思惑が働いているのではないだろうか。
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