人類が犯した大きな間違い。
環境問題と言うのは厄介な問題であるとの認識が世の中にはびこっている。技術革新を全て止めて中世の生活に戻すのかとかいうレトリックは40年も使われているが、これは間違いである。
我々人類は過去に狩猟中心の生活から農耕に移った事で土地利用を100倍にした。つまり同じ面積の土地で100倍の人口を養えるようになった。100倍の食糧を土地から得られるようになったが、そこで人類が起こした間違いは自然には何も返す事をしなかったことである。
森を焼きはらって耕地を作り作物が取れなくなるほど土地が痩せると、次の森を焼き払うだけで森をもとに戻すことをしなかった事から間違いが始まった。
そして産業革命が起きた。William Stanley Jevonsは150年前に、その時から70年前を振り返ってJames Wattの蒸気機関は石炭の効率を4倍にした素晴らしい発明であったと褒め称えた。しかしその時、この発明により石炭の消費は減るどころか10倍以上に跳ね上がっていた。James Wattの発明は効率アップと言うより消費社会への招待であったのである。そしてこの考えが今日まで続いている。
環境問題と言うと、進歩にブレーキをかける障害に他ならないとの考えがぬぐい去れないが、消費の増大がそもそも進歩と言えるものだろうか。
ところで、再生可能エネルギーを推進する人達にもこの考えから抜け出せない人達が多くいる事は大変残念なことである。
もし、我々がエネルギー効率を上げる努力をしてもその効率が上がった分は別の消費が増えると言うこれまでのパターンを続けるのであれば今後も人類は自然環境には何もお返しをしないと言う事になってしまう。
かつてロナルド・レーガンがやったように環境問題には目をつむって消費は拡大させることは市場には歓迎されるかもしれないが、これは絶対に繰り返してはならない。彼の政権の環境大臣James Watt氏は環境を守るどころか自然から最大限取り出せるものは取り出すべきであるとの考えで市場から歓迎された。
だから環境問題は火急の最重要課題なのだ。
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