資源の100%利用を目指した法体系を作ったドイツ
1990年代の日本は環境先進国として世界から模範の存在として認められていた。現在の環境先進国であるドイツも当時は多くを日本から学んだ。彼らはそれをどんどん法律にしていったところがいかにもドイツ人らしい。3R(Reduce, Reuse, Recycle)やゼロエミッション(Zero Emission)も日本から始まっている。
これについて、林 哲裕氏著「ドイツ企業の環境マネジメント戦略」に詳しいので以下に引用させていただく。
生産に投下されたすべての材料を100%最終製品に利用するか、あるいは発生した有価廃棄物を別な産業の生産プロセスで活用することを目指しています。(中略)日本が進めるセロエミッションの実現方法には、基本的に五つの類型があります。第一に発生した廃棄物を異業種間の企業連鎖で循環させる。第二に、都道府県が進める廃棄物減量化・リサイクルを行政が支援。これには1997年から通産省が厚生省を連携して進めているエコタウン事業があります。第三には、単独の工場内で副産物である廃棄物を内部で利用することで、廃棄物発生をゼロにする活動。第四に工業団地などの地区内での循環。第五には特定地域でのゼロエミッションの取り組みがあります。いずれかのゼロエミッション形態によって、企業から排出される廃棄物やエネルギーを限りなくゼロにして、産業だけでなく、地域の環境保全を達成していこうとするコンセプトです。
以上が引用であるが、ドイツは循環経済・廃棄物法と言う法律を制定し、廃棄物の流れに従って、また種類によって適用される法令群をつくり、それを実行するためのコンピュータ・アプリケーションを整備してユーザーに提供している。そのシステムについてもこの本に詳しいが、そこまでやるかと思うくらいの徹底の仕方で、抜け道を防いでいる。決まった事はきちんと徹底的にやり続ける、さすがドイツ人というべきであろう。
日本には現在、家電リサイクル法、自動車リサイクル法、容器包装リサイクル法、建設リサイクル法、食品リサイクル法がありそれぞれ監督官庁もことなり運用も異なる。
林 哲裕氏著「ドイツ企業の環境マネジメント戦略」はアマゾンで購入できる。
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