欧州で広まるパッシブハウス
パッシブハウスはファクターファイブの概念を実現した省エネ建築の基準で、欧州ではかなり広まっている。日本にもパッシブハウス・ジャパン( passivehouse-japan.jimdo.com )が設立されている。この基準で建てられた超省エネの住宅は、先進の技術標準で建てられた住宅の1/10のエネルギーしか消費しないファクター10を達成している。(図参照)
パッシブハウスを設計するにはいくつかのデザインツールが必要となる。「パッシブハウス計画パッケージ(PHPP)」は設計ツールで欧州ではドイツ、オーストリア、スイスの100以上のプロジェクトで使用されており結果として70〜90%の省エネを達成している。このソフトウエアについては上記のパッシブハウス・ジャパンのホームページに詳しい。
パッシブハウスの特徴
■パッシブソーラーデザイン
外気との接触面積を最小にする設計と太陽光熱を取り入れたり遮断する事をデザインに取り入れた設計。
■超高性能断熱
パッシブ建築物は超高性能の断熱材を用いて壁、屋根、床からの熱の輻射、伝搬を断熱する。その為各所に適した断熱材を使用する。特に熱ブリッジに配慮をする。
■先端技術の断熱窓
3層あるいは2層のガラスやガス封入ペアガラスと熱ブリッジを排した構造の窓フレームで高い断熱効果を持つ窓枠メーカーがオーストリア、ドイツ、スイス、ベルギー、チェコに約50社あり高断熱窓の市場を形成している。
■壁内隙間の最小化
外断熱で外気温を遮断し壁内の隙間に冷暖房の空気流を流すパッシブハウスでは、より気密性の高い壁構造により隙間を小さくすることで流れる空気の量を減らし、空気循環モーターの電力使用量を下げることができる。
■熱回収型換気
1時間に0.4回と言う気密度高い住宅では強制換気が必要であるが、直接外気を取り込むのではなく熱交換器を当す事で外気を室内温度に近づけた後室内に取り込む。
■エアコン熱源の利用
熱交換器の他、厳寒時や猛暑時にはエアコンを使うがそのヒートポンプの熱源を温水供給にも使用することで省エネを行う。
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