水不足は世界の緊急課題
農業は世界の水資源の70%を消費している。
農業における水の消費は米、麦、トウモロコシ、豆などの作物の種類、畜産、酪農などにより大きく異なり、さらに国により使用法や用水路の整備の度合いが異なる事により差が出る。
穀物類1kgの収量に対し国により0.4~5トンの水を消費する。畜産(鶏、牛、豚)では1kgの食肉を生産する為に2~32トンの水を消費する。中国、アメリカ、インド、ブラジルの主要生産国での水の使用量には大きなばらつきがある。
人口増加による食糧の不足が農業用水の需要を増やし、都市部への上水道の供給がさらに水不足に拍車をかけている。各国は水資源利用の効率化を緊急に図る必要があるが、長期的な水資源の持続可能性を踏まえた計画が必要である。
中国は深刻な水不足と耕地面積の不足に直面している。中国では現在1ヘクタールの耕地面積で10人分の食糧を生産しており、これは世界平均の4.4人の倍以上である。その上国家政策により食糧自給率は100%であるので、農地は2毛作、3毛作で疲弊しつつある。中国の灌漑率は40%で世界平均の18%よりかなり高い。因みにアメリカの灌漑率は18%である。
しかし、中国の灌漑用水の内30%しか作物の根の部分には到達しておらず70%は蒸発、地面への吸収、漏水で消えている。インド、ブラジルでも大差は無い。
地下点滴灌漑を行う事で95%の水資源の節約が可能であることは2011/9/19と2011/9/20に書いた。
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