原油へのマネーの投資がリーマンショックの原因であった
原油の価格が上昇すると、石油鉱脈の探索技術が強化され新たな石油鉱脈が開発されていった。そして同時に国家、企業、個人において省エネの動きが見られた。これは2度の世界大戦直後と、1970年代と2000年からの原油価格の高騰の頃に見られた。
1970年の第一次オイルショックで学習した省エネはその後15年間にわたり産業経済の安定化のキーファクターとして寄与した。
1998年に1バレル9ドルであった原油価格は2000年には35ドルを超えその後100ドルに値上がりを続けているが、その理由は中国とインドの需要増加によるものである。
2005〜2008年の原油価格の異常な上昇は原油市場の通常の価格変動では無く、機関投資家による投機の為の値上がりであった。投資先を原油市場に見出したマネーは彼らにしてみれば僅か1%程を原油市場に振りあてただけであったが、原油価格は大きく釣り上った。当時、ある投資家は原油の値上がりは更に続き1バレル150ドルも夢ではないと語っていた。
しかし、マネーによる原油価格の吊り上げは、アメリカのガソリン価格を3倍にした。サブプライムローンで郊外に住宅を買い、やはりローンで買った御自慢のSUVで通勤をしていた人達はガソリン代の天井知らずの値上がりに嫌気がさし、郊外の建売住宅の人気はガタ落ちとなり住宅価格は急激に下落した。住宅価格の将来の値上がりを見越して組まれるサブプライムローンは成り立たなくなり破綻し、リーマンブラザースの破綻へと繋がる。マネーの商品相場への投資が世界金融危機を招いた。
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